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「このツリー可愛いね。
このサンタとトナカイはお手製？」
「えぇ、僕じゃないんですけど。
知り合いが器用で、趣味で作るんですって。
せっかくなんで仕事のお供に連れてきました。」
そう言って、ちょいっと可愛いらしい指でサンタの頭を撫でた。
彼の手は美味しい珈琲を生み出す魔法の手なのに
ゴツゴツしてなくて…丸みがあって柔らかそうに見える。
その手から生み出されるから珈琲も優しい味なのかな。
「クリスマス、楽しみですか？」
綺麗な瞳に見つめられると吸い込まれそうだ。
「ぅん？んーーー…クリスマスっていうか、
実はイブが誕生日なんだ、俺。」
「えぇ？！そうなんですか？」
「うん。子供の頃はクリスマスと誕生日、プレゼントが一緒にされてよく拗ねてたな。」
「ふふっ。そうですよね。
子供にとっては死活問題ですよね。
せっかく良い子にしててもサンタさんがくれたのか、親がくれたのかわからないですしね。」
「そうなんだよ、本当にそう。
うちにサンタさんは来てないんだよね〜
良い子にしてたと思うんだけどー。」
わざと大袈裟に拗ねて唇を尖らせると
二宮くんは可愛い掌で口元を隠してくふくふ笑う。
その仕草が可愛い過ぎてまたじっと見てしまう。
「あっ、ごめんなさい。
当事者にとっては笑い事じゃないですよね。
なんか可愛いくて。
じゃあ、相葉さんが良ければ僕がお祝いしてあげますよ？ふふ。」
彼はまだ可笑しいみたいだけど、俺はそれどころじゃなかった。
彼の先程の言葉が流される前に食いついた。
「えっ？！本当に？？」
俺のあまりの勢いに可愛いく笑っていた彼はビクッと身体を引いた。
ちょっと引かれちゃったかな…
「あっ…いえ、あの…ごめんなさい。
相葉さん先約ありますよね。
彼女さんとか…なのにでしゃばっちゃって。
ごめ…
「違うんだよっ。違う違うっ。
俺の方こそ驚かせちゃってごめんね。」
彼が思わぬ方向に勘違いしていることに驚いて途中で遮った。そんなに驚かせちゃったか…
「ごめんは俺の方だよ。
二宮くんがお祝いしてくれるって言ってくれたから…嬉しすぎて、ついっ。」
「えっ…？」
「だから安心して？
先約ないし、ましてや彼女なんていないし。
先約あっても断って二宮くんに祝って欲しいよ。」
「ほ、本当ですか…？
えっと…なら、イブの日お祝いしましょ。
相葉さんその日はお休みですか？」
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作者名：すみれ | 作成日時：2014年10月3日 12時
