【文スト】BAR LeBlanc

第8話 〜月下獣〜 ページ9

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敦「！……い、今、奥で物音が」


太「そうだね」


慌てふためく敦とは対極に太宰は落ち着いている。


Aは、尚も微笑みながら窓の外を見上げた。


敦「きっと奴ですよ！」


A「風で何か落ちたのでしょう。」


敦「ひ、人喰い虎だ！僕を食いに来たんだ！」


太「落ち着きたまえ敦君。虎はあんなところからは
来ない」


敦「どうして分かるんですか!!」


太「そもそも変なのだよ」


敦「……？」


太「経営が傾いたからって、そんな理由で養護施設
が児童を追放するかい？」


A「第一傾いていたとしても半分くらい減らし
て、よその施設に移すのが筋でしょう？」


敦「2人とも何言って……！」


天窓から差し込む月の光が、敦の顔を映し出す。

敦の虹彩が、徐々に変化していく。

いつの間にか、その目は人間の瞳ではなく、野生の
動物のそれになっていった。


太「君がこの街に来たのが2週間前。虎が街に現れた
のも2週間前……」


敦のシルエットが形を変えていく。


A「貴方が鶴見の辺りにいたのが4日前。同じ場
所で虎が目撃されたのも4日前。」


可哀想な話である。ずっと恐れていた存在は自分だ
ったのだから。


施設の人間もそのことを彼に教えなかったのだから


やがて、ネコ科の目が暗闇に光った。


太「君も異能を持つものだ……現身に飢獣を下ろす
月下の異能力者……」


月の下に映える白色がとても印象的だった。

虎が太宰へ襲いかかる。


A「……太宰さんお願いします。片付けておいて
ください。」


それを聞いた太宰はニヤリと笑い、Aの元へ走っ
てきた。


太「そんなこと言わずに手伝ってよーーーー





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元ポートマフィアの歴代最年少参謀さん」

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