【文スト】BAR LeBlanc

第5話 〜虎退治とは〜 ページ6

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敦「はぁー♡食ったぁぁぁ♡♡」


敦が食べ終わった茶漬けの椀がテーブルに山積みに
なっている。


敦「もう茶漬けは10年は見たくない♡」


A「1、2、3………29、30。丁度30杯です
ね。」

国「お前……人の金で食っておいてよくもまあぬけ
ぬけと。」


敦「ほんと助かりました」


国「？」


敦「孤児院を出て、横浜に来てから、食べるものも
寝るところもなく……あわや餓死するかと。」


太「君、施設の出かい？」


敦「出というか…追い出されたんです」


国「おい太宰、俺たちは恵まれぬ小僧に慈悲を垂れ
る篤志家じゃない。仕事に戻るぞ。」


A「先程、軍関係の依頼と仰っていましたが、何
の仕事をされているのですか？」


太「なあに…探偵だよ。」


A「…太宰さんが云うと信頼にかけますね…国木田さん本当なんですか？」


太「ちょっと?!酷くないかい?!」


国「まあ、その通りだ。」


太「スルー?!」


A「なら本当ですね。」


太「私の扱いが酷い!!」


国「探偵と云っても、ペット探しや不貞調査ではな
いぞ。…異能集団『武装探偵社』と云えば、聞いた
ことがあるのではないか？」


敦「ーーえ？」


A「……」


彼らはかの有名な『武装探偵社』の一員だという。


そこは、多くの者が異能力を持っており、軍や警察
に頼れない危険な仕事を専門にこなしている。



太「おー、あそこにいい鴨居が！」



そんな彼らに仕事が入っているということはそれ相
応の事件が周辺で起こっているということだ。



国「くーびーつーりーけんこーほー」

太「嘘だけど」

国「(バキッ)」



バーテンダーであるAは客人から周辺の変化や事
件を聞くことも多い。



敦「その、今日のお仕事っていうのは？」



そんな彼女が客人から最近聞いた事件は、


A「人喰い虎」


太・国・敦「「「!!」」」


太「知っているのかい？」

A「ええ、友人からお話を伺いまして。では、お
2人は虎探しをされているのですか？」


太「その通りさ。近頃街を荒らしている、噂の人喰
い虎だよ。ま、本当に人を殺したかどうかは知らな
いが、倉庫を荒らしたり、畑の作物を喰ったり、好
き放題さ。最近、この辺りでの目撃情報が多くて
ね…？」


ガタッという物音がした。


見ると、敦が椅子から落ちていた。

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