【文スト】BAR LeBlanc

第18話〜Murder on D street〜 ページ20

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肺に酸素が回ってきたのを合図に、Aの目がゆっくり開かれる。


Aも川に流れた時から、こうなることを予想していたため、深くため息をついた。


網に引っかかり、宙ずりのような状態で、太宰の隣に並んで発見されたAは無表情だった。


太「やあ、敦くん。これは奇遇だねぇ」


敦「太宰さんにAさん……こんなところで何を？」


太「心中だよ！矢張り死ぬ時は美女との心中に限る！ねぇ、Aちゃん？」


A「巻き込まれました。」


江「……君もなかなかの苦労人だね。」


敦「(時に、乱歩さんも其の原因に成りうるんだけど……)」


敦が、太宰とAに事件の概要を説明した。


太「ななな、なんてことだ…！かくの如き佳麗なるご婦人が、若き命を散らすとは……悲痛でこの胸が破れそうだよ！！どうせなら私と心中してくれれば良かったのに〜」


箕「…誰なんだ、あいつは」


江「同僚である僕にも謎だね。」


A「乱歩さん……下りられません。」


江「仕方ないなぁ……僕が下ろしてあげる！」


乱歩が慎重にAを網から降ろす。


A「ありがとうございます」


すると、乱歩は耳まで赤くなった。



江「れれ、礼には及ばない！」


乱歩が赤くなるのも無理はない。


ただでさえ、美人なAから水が滴り落ちていて、呼吸ができていなかったばかりに涙目、其れに加えて上目遣い、赤くなって当然である。


太「寒くないのかい？大丈夫？」


A「其れ、貴方が言えたことではないでしょう。」


江「とりあえず着替えてきなよ。」


A「そうですね……近辺に家があるので、其方で着替えてきます。失礼します。」


江「あ、着替え終わったら、来てね！」


A「……了解しました。」



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Aが着替えて現場に戻ってくると、警察官の男性が事情聴取をされる為に、連れていかれるところだった。


江「あ、Aー！丁度良かった！」


一連の話を聞いたAは太宰と敦と共に事情聴取を聞くことになった。


事情聴取を聞いている間、Aは口角をピクリとも動かさず、ただただ、杉本巡査を険しい目で見つめていた。



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