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ーエピソード 171 チャンスー
your side.*・゚
医務室へ行くと、脳震盪は起こしてないようだと
良かったとホッとするが治療のため
ほっぺを冷やし、口の中の血を止める
澤村「早く治して、試合に戻るよ」
『でも……』
頭をポンッとされて、目に溜まった涙が落ちる
澤村「なーに、Aが泣いてんの。
俺たちはここでは終わらない大丈夫だ」
私は澤村先輩の試合に出れない今の現状と
マネージャーとして何ができるか、今の自分は
何も出来ていなく、声を何とかけていいかも
分からず、ただ付き添って心配するしかできない
雪絵ちゃんや英里ちゃん達なら
なんて声をかけるんだろう
そう考えている自分の無力さに悔しくなる
皆日々成長しているなかでマネージャーとしての
私も置いてかれているような気になる
怪我の知識も治療法も応急処置法も
ここが医務室である場所で良かったが
もしなかった場所なら…私は何も出来なかった
そう考えると鳥肌が立つ
澤村「…プッなんて顔してんだよ
過去一の蒼白顔だぞ」
1人で考え込んでいるとそれを見た澤村先輩は
吹き出し楽しそうに笑っている
澤村「もし…だぞ。もし、自分を今責めているのなら
過去の自分を後悔しているのなら、それは変わるチャンスだぞ。俺達もそうだ。Aもその瞬間を何回も
間近で見てきただろ?」
変わるチャンス…………
己の無力さを知り、そこから磨いていく
それしか自分を成長させる糧はない
目に溜まった涙がじわっとまた溢れ出すのを
手で拭う
コクっと頷くと、よしっと背中に腕をのばし
優しく大きな手でトントンと叩いてくれる
澤村「可愛い顔が台無しだぞ、Aの応援がないと
アイツらも本領発揮できないしな」
体を離すと二カっと笑う澤村先輩
なんて大きな存在で、部を、私を温かく包み込んで
くれる人なんだろう
1時間くらい立ち、痛みと出血が引いてきたころ
医者はもう大丈夫だろうといい
試合へ戻ってもいいと許可をする
急いで体育館の方へ戻ると澤村先輩が
入口で足を止める
『澤村先輩?』
目の前の試合はちょうど19ー21
烏野のブレイクの瞬間
そこからというもの順調に得点をきめ
22ー24 烏野のマッチポイント
しかし和久南も落ち着いている
ノヤさんが抜けた場所を狙い落としてきた
23ー24
和久南のサーブをノヤさんがあげる
乱れた…!田中先輩か速攻か
日向くんもキョロキョロしてすこし焦りが見える
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作者名:りりらら | 作成日時:2020年7月13日 3時