高華の不死鳥第四章 (ページ5)

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第147話龍であり人でありページ5

キジャは洗濯物を干し、私とハクは川で洗濯をしている、そんな穏やかな時にユンから聞いた話。

なんとユンが商人から''白龍の鱗''を貰ったという。

ｷｼﾞｬ「な、何だと？」

ﾊｸ「お前、なに自分の鱗売りに出してんだよ」

ｷｼﾞｬ「誰が出すかッ！｣

貴「鱗って取れたんだ、痛そ･･･。
で、これを持ってたら何かなるの？」

ｼﾞｪﾊ「これを身につけたらカタブツになるとか、右手だけデカブツになるとか？」

ｷｼﾞｬ「おい！」

なんてふざけていたがユンの言葉に次の瞬間、ハクとジェハは大爆笑をおこす。

ﾕﾝ「──ところがまさかの恋が叶う鱗らしい」

ﾊｸ･ｼﾞｪﾊ『ぶっひゃっひゃっひゃっ！』

貴「へー、いわゆる恋のお守りなのね」

見た感じではただの白い色のキレイな鱗だが、恋が叶うって･･･商人さんも商売上手だな。

ﾊｸ「何だその桃色な鱗は」

ｼﾞｪﾊ「そうか君の鱗は恋を叶えるのかー。
どれどれー｣

笑いに笑い、目に涙を溜めるジェハはキジャの鱗を剥ごうと手をかける。

ｷｼﾞｬ「剥ぐな、痛いわ！白龍の鱗などとデタラメを！神に等しき龍の名を騙り商売するなど不届き千万！」

しかし白龍である当事者のキジャはどうやらお怒りのようだ。

ｷｼﾞｬ「なぜそのような物を購入したのだ、ユン！」

ﾕﾝ「買うわけないじゃん。
塩を2袋買ったらオマケでもらったの」

ｷｼﾞｬ「オマケだと？ますます怪しい」

ｼﾞｪﾊ「要するに四龍にかこつけた恋のお守りってわけだろ？こういうものは女の子が持つべきだよね。

''恋が叶う''なんて可愛いじゃないか。
Aちゃん、持ってなよ」

貴「私？いや、遠慮しとくよ。あまり興味ないしね。姫様にあげたら？｣

ｼﾞｪﾊ「そっか。あ、ヨナちゃんちょっとおいで」

ﾕﾝ「──大体それお守りじゃなくて、いわゆるホレ薬らしいよ」

姫様の手に白龍の鱗を置こうとして、ニッコリと笑ったジェハはスルリとなかったことにした。

ハテナを浮かべた姫様が立ち去るとハクとジェハは何か言い争っている。

ｼﾞｪﾊ「なにかな、ハク」

ﾊｸ「とぼけんな、今それをパクろうとしただろ？」

貴「ねえ、ホレ薬ってなに？何の薬なの？」

ｷｼﾞｬ「そうだ、ホレ薬とはなんだ」

言い争っていたハクとジェハは首を傾げる私とキジャの顔を見てピタッと黙る。

ﾊｸ「A、ちょっと姫さんとこ行ってこい」

貴「え？急にどうしたの？」

ｼﾞｪﾊ「いいからいいから、ね？」

貴「うん？」