【あんスタ】スターダスト･ナイトメア【短編集】 (ページ3)

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私の顔を見て茨はまた溜息をついてそっと私から目を逸らす。そんなに今の私は酷い顔をしているんだろうか？それから動かない茨が不思議になって私は茨を見つめた。

『 …茨？』

「 ……だからAが起きている間に来るのは嫌だったんです」

私から目を逸らしたまま茨はぼそっと呟いた。そして私の頭の上に手を乗せて優しく撫でる。目線を合わせるようにしゃがんで困ったように微笑んだ。

「そんな寂しそうな顔をしないで下さいよ。そんな顔されると自分も帰りたくなくなるので。……大丈夫、明日も“俺”はAに会いに来ます」

だから、いい子で待ってて下さい。と言い残して茨はすぐに帰って行った。仕事の前に来たって言うのは本当らしい。
…優しく撫でられた感覚だけが残る。いつもはツンケンしてて素直じゃないくせにたまにこういうことをやってきて心臓に悪い。

『 ……いい子で待ってるから、明日はもっと居てよね』

私もたまには我儘くらい言ってもいいよね。これじゃあ、素直に言えてないのは私の方だけどさ。すっかり冷めてしまったホットミルクを飲みながら、茨が生けた色とりどりの華やかな花瓶を見つめた。

__真っ白で詰まらない私の世界に色をつけてくれる素敵な王子様はいつだって七種茨っていうちょっと素直じゃない彼なんだ。

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