呪いの王に好かれました２【両面宿儺】

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宿儺「………口吸いを受けるか。」


『く、ち、、すい……？』




口吸いの意味は知らなくとも言葉の感じで分かる。

恐らく意味はキス。


こいつは一体何を言っているのだろうか。



宿儺「どうしても先程の言葉を言いたくないのなら後者を勧めるが。」


『…未成年にキスの強要は犯罪になるらしいよ、最近の法律厳しいから。』


宿儺「呪霊に法律もクソも無い。あと選択肢を与えてやっているのだから強要はしておらん。」



早く選べと促す相手に面倒臭いなぁ、と思わず溜息が漏れる。

どうしようかと考えた矢先、名案が私の頭の中で浮かんだ。


英語で話せば良い。


宿儺が生きていたと言われる平安時代には英語なんて絶対分からない。

相手が理解出来ないと分かった上で話せば羞恥心など消えるに違いない。


あくまで私個人の予想だけれど、現代人なら誰しもが分かるあの言葉も分からないだろう。


そうと決まれば早速実行。


ばっと顔を上げた私に宿儺は決まったか、と声を掛ける。



『……勿論。前者を選ばせて貰う。』



すぅ、と息を吸えば相手の目を見てしっかりと伝える。



『I love you.』


宿儺「……は……？」



予想通りの相手の反応に頭の中でよっしゃーっ、とガッツポーズをする。

短期留学の成果が出たのかは分からないが、我ながら良い発音だったと思う。



『じゃ、やることやったし帰るね〜。』



ひらひら、と手を振って華麗に退場………したかったのに相手の大きな手によって阻止される。



『な、何……。』


宿儺「わざと俺に分からない言葉で話すとは良い度胸だな。ならば後者でも文句は無いだろうな？覚悟しろ。」


『は……何それ……』



聞いてないし理不尽では、と言い返そうとする前にどんどん相手の顔がこちらに近付く。

頭の中のガッツポーズは見事に崩れ落ち、その代わりに警報の音が鳴り始める。


まだ初めてを奪われたくない！
純粋無垢なJK生活を私は送るんだ………！(？)




反射でぎゅっと目を瞑る。

しかし、いつまで経っても唇に違和感は感じなかった。



慌てて目を開け辺りを見渡せば見覚えのある景色。

生得領域から出られたんだと理解すれば安堵する。


あそこでの長居に自分の精神が耐えられなかったのだろう。


『………私の健全なJK生活は守られた……』



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その頃の宿儺は自分の意思でしか響を戻せないような縛りをするんだった、と地味に恐ろしい事を考えていたとか。

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