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「ああ！インスピレーションがわかないっ！」
そんな叫びが聞こえたのは木の上。
その真下のベンチで昼食のお弁当を食べていた私は思わず肩を震わせた。
『月永、そんな所にいたら危ないよ。』
お弁当を横において下から声をかければ、大きな瞳と目が合う。
「おっ、Aか！何でこんなところに？あ、まって！妄想させて！」
『お昼ご飯。』
「あああ！妄想してたのに！」
スタっと綺麗に降りてくる月永に、こいつ木に登るのなれてるなとジトッと睨んだ。
『危ないから木に登っちゃ駄目だよ？怪我してからじゃ遅いんだから。』
「おお！そうか！Aはセナみたいだな☆」
セナ、その言葉にさえ反応してしまう私はきっともうどうしようもない。
「………おお！インスピレーションがわいてきた！ああ、ネタ帳どこだっけ？A、紙とペン貸してくれ！」
月永の一瞬曇った顔を知らぬふりをして、メモ帳とペンを『はい。』と渡してベンチのスペースをあけた。
ストンとそこに座って音符をツラツラと書く彼の横で再びお弁当を口に運ぶ。
チャイムがなったが、月永もまだインスピレーションとやらが止まらないようだし、サボってしまおうと何をするわけでもなくそのままでいた。
「Aはさ。」
珍しく手を止めて私に顔を向けずにそう口にする月永。
「俺じゃ駄目なのか？」
横目で彼を見ると、その綺麗な瞳と目があった。
『…月永は苦しい？誰かを好きな私を好きなの。』
「苦しい…のか？うーん、けどAがセナを見るときの目は好きだぞ。まあそれがおれじゃないのは嫌だけどな！」
『そうだね、私もそんな感じ。』
私が月永を好きになったら、きっと幸せなんだろう。月永の好意には前々から気づいていたし、彼の笑顔は眩しいもの。
私もあんずちゃんみたいに鈍感だったら、今みたいに月永を傷つけることはなかったのかもしれない。
「なあ、A。」
＿＿おれを利用しないか？
彼の目はきっと私とよく似ているのだ。
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しーちゃん(プロフ) - マリーさん» ありがとうございます！題名まで触れていただいて嬉しい限りです(*^^*)コメント、応援ありがとうございます！ (2017年9月30日 13時) (
レス) id: 2262265ad5 (このIDを非表示/違反報告)
マリー(プロフ) - とても素敵な作品！みつけれてよかったです！切ない恋物語面白かったです！題名も考えられてるなーって自己解釈しながら思いました！これからも素敵な作品書いてください！ (2017年9月30日 13時) (レス) id: 5afa144aee (このIDを非表示/違反報告)
しーちゃん(プロフ) - つむつむさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！こちらこそ読んでくれて感謝でいっぱいです！コメントありがとうございました(*^^*) (2017年9月25日 23時) (レス) id: 2262265ad5 (このIDを非表示/違反報告)
つむつむ(プロフ) - コメント失礼致します！いやもうとっても素敵で、すごい私好みのお話でした！ありがとうございました！(？) (2017年9月25日 23時) (レス) id: 327743bf40 (このIDを非表示/違反報告)
しーちゃん(プロフ) - ariaさん» ありがとうございます！後味の悪くな切ない恋物語を目指した結果ですが、ドキドキしてくれたのなら幸いです(*^^*)コメントありがとうございました！ (2017年9月24日 19時) (レス) id: 2262265ad5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しーちゃん
| 作成日時：2017年9月24日 1時
