【あくねこ】担当執事の彼にしてみた【2】

（3階執事） ページ8

▶ルカス

「私はどうすれば、良かったのでしょうね…」

呆然と光のない瞳は俯くばかり。
「他人」を見つめるあなたの目と合わせることができない。
医者として、執事として、あなたを愛する男として、何をどうすれば昨日までのあなたを守れたのか…。
私を忘れないで、どうか思い出して。

「…私は自分で思っていた以上に、主様を愛していたようですね」


▶ナック

「主様が今日も明日も、変わらず元気でいられるのなら…私はそれで構いません」

穏やかに笑う彼は、そっと腫れ物に触れるようにあなたの頬を撫でる。
あなたの幸せより大切なものはない。
たとえ自分が忘れられようと、あなたが幸せならそれだけで満足だ。
ゆっくり、少しずつ、どうか思い出して。

「いつか思い出してくださったら、嬉しいです」


▶ラムリ

「うぅぅっ！嫌です〜！忘れられちゃうなんて寂しいです！！」

嫌だ嫌だとあなたに泣きつく彼。
大粒の涙があなたの服に染み、困ったように此方を見るあなたに気がつくと、名残惜しそうに離れる。
困らせたい訳じゃなかったが、今1番泣きたいのは記憶喪失になってしまったあなただと悟る。
まるで別れのようで、どうか思い出して。

「今はただ、主様のことが1番大好きなのは僕だってことだけ分かってほしいです！」

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