【あくねこ】担当執事の彼にしてみた【2】

（地下の執事） ページ14

▶ラト

「夫婦ではありませんが、悪くない響きですね」

ばっさり否定した彼の表情は普段と変わらない。
店を出たあとも観光気分で楽しんだ二人はトラブルなく依頼を終わらせた。
パレスに帰宅してから1週間後、庭先を散歩していたあなたが段差に躓き転びかけたのを彼が支えてくれた。
感謝を伝えるあなたに彼は笑う。

「愛している妻を守るのは夫の役目ですから♪」


▶フルーレ

「ま、まだ夫婦じゃありませんから！」

真っ赤な顔で否定するが、大声だったことで周りの目を引いてしまう。
初々しいカップルを見守るように集まる視線。
自分の失態に気づいた彼は慌ててあなたの手を引き店を出る。
宿まで戻ってくると彼はあなたを部屋まで付き添い、まだ少し赤らむ頬と潤んだ瞳で言う。

「い、いつかプロポーズします。そのときは格好良い俺になっていますからね！」


▶ミヤジ

「そう見えているなら嬉しいよ」

あなたの頭を優しく撫で小さく笑う。その目にはあなただけが映っている。
勘違いされたことには触れずに、買い出しを終えたあなたと彼は穏やかな観光を楽しんだ。
依頼を終えパレス帰宅する日に彼はあなたの部屋を訪ねた。

「今度来るときは本当の夫婦になってくれるかい？」

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