１１８ 純粋 ページ18
先程箪笥の下に投げた遊底を拾いあげ、尾形と向き合う
遊底を返すために彼に手を伸ばせば、私の手元を少し見つめた後、しっかりと受け取ってくれた
少し当たった彼の手は、氷のように冷たかった
尾「鶴見中尉に渡された手紙があっただろ」
『手紙...父から届いたあの手紙？あれがなんですか』
私がそう言えば、少し口角をあげてニヤついていた。え、なに怖いんすけど
尾「あの手紙は早めに燃やした方がいい。そうしなければお前は鶴見中尉に転がされたままだ」
は...お父さんの手紙を燃やせって
『........第七師団へ戻ってください。私は家へ帰る。
"絶対"に』
この人、本っ当によくわからない。どこまでも私に着いてきていじめるくせして...気まぐれに忠告してくるのも意味不明だ。もう、信用出来ない
せっかく第七師団から出られたんだ。捕まえに来たわけでもないならもう関わらないでくれよ
これ以上同じ空間にいることが息苦しく感じ、思わずこの家から飛び出してしまった
『なんなんだよｯ...あれ、褌がない』
止血のため腕に巻いた褌が無くなっている。でもあそこにはもう戻りたくない。私は振り返らずどんどんと走っていった
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尾「A...」
アイツの名前をひとつ零す。だが、この声もアイツには届いてないだろうな
壊れた扉を出て走り去っていったAの背中を見つめたあと、自身の右手に視線を落とす
遊底を受け取る時に当たったアイツの手。確かに温かかった
アイツに触れられ、少しでも会話が続いたことがすごく嬉しかった
Aを見ると、前々から体の奥深くから何かがうずうずと泳ぎまわる
アイツが欲しい...やり方はなんでもいい。俺はアイツを手に入れられるならなんだってする
双眼鏡の反射を使ってアイツが俺に気づくようにしたのもわざとだ
俺という存在を知らしめたかった。お前の頭には俺だけがいればいい
月島軍曹がAを追うと俺に話した時、好機が来たと思ったんだ
次会えたら、俺のこの気持ちを教えてやろう。どろどろと液になった俺の気持ちを、Aという器に入れてやりたい
捕まえて第七師団へ連れ戻すなんて気はさらさら無い
尾「...お前は、第七師団に必ず戻ってくるからな」
その日までもう少し待とうじゃねぇか
俺はAの血がついた褌を鼻に当て、深呼吸をした
これは、お前への“純粋”な愛だ
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☆夢腐女子☆(プロフ) - 見守るセミさん» 長くなってしまったお話ですがたくさん読んでいただいて、そしてコメントありがとうございますっっ。新しい話の更新までもうしばらくお待ちください。ﾝﾌﾌﾌﾌ (3月26日 0時) (
レス) id: 8f82e0922d (このIDを非表示/違反報告)
見守るセミ - え待って尊い。1日で読んでしもた。あ、どうも名乗り遅れました、見守るセミです。腐も夢も大好物です。推しは、杉元ニシパ、尾形ニシパ、月島ニシパ、宇佐美ニシパでござんす。無理せず楽しんで作成して下さい、更新お待ちしております。ｱﾋｬﾋｬﾋｬﾋｬ (3月25日 23時) (レス) @page24 id: d5e2d1caf3 (このIDを非表示/違反報告)
☆夢腐女子☆(プロフ) - まめさん» コメントありがとうございますっっ。気に入って頂けてすごく嬉しいです！ (3月24日 23時) (レス) id: 8f82e0922d (このIDを非表示/違反報告)
まめ - 更新待ってます！ (3月24日 11時) (レス) id: faa4b97585 (このIDを非表示/違反報告)
まめ - 一気読みしたものです。マジで設定が好きすぎる＼(^o^)／ (3月24日 11時) (レス) id: faa4b97585 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：☆夢腐女子☆ | 作成日時：2024年1月3日 0時
