あの約束は今もまだ《S.S》 (ページ35)

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二「じゃあさ、当たって砕けてみれば？」

「どうやって？」

二「私はあなたとの約束を果たしたいけどそっちはどうなんだって」

「……そんなの無理」

二「じゃあいつまでも今のグダグダな関係続ける？」

「それは嫌だけど…でも…」

二「大丈夫だって。ダメだったら俺んとこ来ればいいでしょ」

「………。」

ニノ、それ本気で言ってるの？

翔くんがダメだったらニノなんて、そんなの普通じゃない。

本当に、翔くんの代わりでもいいの？

言葉にならない気持ちが頭の中でぐるぐる回る。

二「………。」

そんな私を見て、無言で抱きしめてくれる彼は、本当に優しい人だと思う。

だからこそ、傷つけたくない。

「ほんとに…本当にそれでいいの？」

私はそれだけ尋ねた。

二「今までAが一緒にいてくれたお礼。だから、いくらでも俺を頼って」

それは逆なのに。

ニノは友達がいない私のために一緒にいてくれたのに。

私はどうしようもない思いで胸がいっぱいになって、涙が溢れた。

二「え？お前泣く？今泣く？振られてから泣けよ」

「ぐすっ……ふられないもんっ……」

ニノは私を笑わせようとして、振られろ、振られろ、とか言ってくる。

私はニノの優しさに涙が止まらなくて、目が腫れるまで泣いた。