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すると、翔くんがスマホをいじりながらボソッと呟いた。
翔「俺がもっと綺麗な花だったら……」
「え？」
翔「いや、何でもない。独り言だから気にしないで」
「……櫻井さんは、世界一綺麗な花です」
翔「え？」
「何でもないです。独り言です」
翔「いや、絶対独り言じゃないでしょ」
「気にしないでください」
翔「気になるよ。今のどういう意味？」
翔くんがじっと見つめてくる。
「……だったら、櫻井さんもちゃんと説明してください」
私も負けじと見つめ返す。
翔「ん。わかった。じゃあ簡潔に言うよ？」
「はい」
翔「俺と付き合ってください」
「…………はい？」
翔「ほら！だから気にするなって言ったのに。聞いて損したでしょ？」
「いや、だって、さっき会ったばっかりですよ？付き合うとか早くないですか？」
翔「でもAちゃんは俺のことデビュー前から知ってたわけだし、俺もAちゃんのことコンサートとか握手会とかで見ててずっと気になってたし。一対一で話したことはなかったけど、お互い知り合いでしょ？」
「うーん、まあ、確かに、、」
翔くんが私のことずっと気になってたというのは初耳だし衝撃だけど、まあ、お互い知り合いだというのは間違いではない。
翔「どう？前向きに検討してもらえる？」
「えっと、……私でよければ、よろしくお願いします」
翔「本当に？いいの？」
「はい。逆に本当に私でいいんですか？」
翔「もちろん。Aちゃんがいいの」
翔くんが笑ってくれた。
ああ、可愛い。
こんな素敵な笑顔を私一人に向けてくれる日が来るなんて。
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作者名：はつる | 作成日時：2018年6月3日 22時
