Fantasia 第1楽章《S.S》 (ページ2)

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そんなフワフワイケメンに連れて来られたのは、はっきり言ってかなり怪しい店だった。

占いとかまじないとかされて、高い石とか買わされそうな感じ。

「この店…、何の店なんですか…？」

＊「夢を売る店、って言ってわかるかな？」

「わかりません。興味ないんで帰ります」

＊「待ってよ、無料で体験させてあげるから」

「ほら！どうせ怪しい石買わせる気でしょ？興味ないですって」

＊「そういうのじゃないから話聞いてよぉ」

ほら、また困った顔して。

ずるい。

「……わかりましたよ。話聞くだけですよ？」

＊「やった！ありがと！」

彼の話によると、彼は特殊な能力を持っていて、人の行動と感情をコントロールすることができるらしい。

その能力を使って店をやっているという。

＊「誰か会いたい人に会わせてあげる。付き合うくらいまでなら全然できるけど、どうする？」

「あの、」

＊「ん？」

「すっごい胡散臭いんですけど」

＊「信じてもらえないかぁ…」

「当たり前でしょ」

＊「んー、じゃあさ、君、アイドルの櫻井翔って好きでしょ？」

「は？なんで知ってるんですか？」

＊「会わせてあげる。俺の言うとおりにしてくれれば櫻井翔は君のこと好きになるよ。これでどう？」

「…………。」

＊「あ、ただし、効力は1ヶ月だから、1ヶ月後には櫻井翔の記憶から君は消えるからね」

「1ヶ月、ですか……」

＊「どう？」

こうして、夢のような1ヶ月が始まった。