第45話 ページ5
「カリアっ!!」
母様が叫ぶ。
僕の体が宙に浮き、カリアの腕に収まっていた。
『嫌っ!嫌ですっ!母様!!!」
「奥様!早く!もう屋敷は…………!」
持ちません。
カリアが言いかけた。
「A!!その子とどうか幸せになって……!」
「カリア。A達を任せます」
火の海の真ん中で。
母様は叫ぶ。
聞いたことがないくらい大きな声で。
「っ!」
カリアが駆け出す。
『カリア!母様が!ねぇ、カリア!』
「お嬢様……すみません。
今回ばかりは許してください……。
奥様のご命令です!!貴女様と坊っちゃんを外へ!!!」
カリアは走る。
遠ざかる母様の部屋。
煙が目に染みて痛い。
声を出そうにも出せない。
苦しい。苦しい。
痛い。
やっとのことで出た外。
炎の赤が反射して、周りも赤い。
気がつくと、そう遠くないところに叔父様がへたりこんでいた。
悲しむ訳でもなく、絶望するでもない。
ただ、狂喜的な笑みを浮かべている。
口は半開きで、狂ったようにただ笑っている。
こいつが……こいつが!!
殴りかかりそうな僕をカリアが押さえつける。
「駄目です!
奥様の言葉を無駄にしては!!」
『父様……!母様……!!』
それでも叔父様は、ただ笑っている。
僕がこんなにも怒りを抱いていることに、気づきもしないで。
.
.
.
やがて、屋敷が崩壊を始めた。
ガラガラと大きく音を立てて、何もかもが崩れていく。
そんな惨状を僕は泣き叫んで見ていることしか出来なかった。
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作者名:ベルリラR* | 作成日時:2017年6月12日 16時