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第21夜 語り手さんとミカ ページ36

放った魔力は大木へと注がれる。
さながらふたりはプリキ〇アの如く手を繋いで全力をかけた。
"カスタム"は複数の語り手の詠唱魔法を融合させること。
今の場合は[実現]と[操作]の融合。
[操作]で迷宮の記憶をいじって魔力の波長と質を極限まで高めて、[実現]でミカの目覚めをより確かなものにする。
この詠唱魔法の欠点といえばさっきみたいな"役割にちなんだものしか使えない"ってことと、使用時の必要魔力量が膨大なこと。
まぁ、語り手ですし?おすし?
魔力なんてものは有り余ってるんだよね。

本来なら生まれたときに定められた魔力量を覆すことはできない。
……でも、私達はそんなもの関係ない。
元々私達全員、孤児だ。
それが先代語り手に拾われて、役割と使命を受け継いだ。
語り手という職業は魔力の量、知識の量が第1に求められる。
何故か。
私達の役割は世界の傍観、道標。
マギや王、世界中の生き物たちの生や死、歴史を見守り、必要であればその歴史を掘り返す。やがてくる世界に必要性を見出だせなくなったら、世界を滅亡に導くのが、使命。
それには途方もないくらいの魔力が必要。
滅亡だなんてマギと金属器使いと、眷属器使い……まぁ、世界が許さない。
それらを圧倒的に凌駕する魔力が求められる。
万物に愛されるマギよりも、圧倒的な魔力。
それを手にするために、私達は本意で人ならざる者になった。いわば人外。

人ならざる私達は、例えどんな世界でも、居場所なんてないのだ。



「……成功だな。ミカがくるぞ」

魔力で満ち溢れた大木に亀裂が入った。
そのままピキピキと広がり、破裂する。
粉々に砕け散った木の欠片に眼もくれず、私達は"ミカ"らしいものに目を集めた。

それは精巧な人形だった。
全身黒で、しかし程よく陰影やグラデーションのかかったそれは、ピクリともせず、直立していた。

「伝承通りだな。大木の中に埋め込むなんて考えたもんだ」

『ホントにね。さて、私の番か』

失った魔力の消費を迷宮内のあれこれで補う三日月を視界の隅に納めて、ミカへと歩み寄る。
額に手をおいて、魔力を注ぐ。

『リンク』


彼女の記憶の中へ。
失われた世界の知へ。
彼女のオヤ、博士との記憶を。
彼女の友、エクシリアとの悲劇を。




『さぁ、みせて』

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設定タグ:マギ , 練紅明   
作品ジャンル:恋愛
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ラディ(プロフ) - レイれいさん» コメントありがとうございます!そういって頂けて嬉しいです!お待たせしてすみません。頑張ります! (2019年11月4日 23時) (レス) id: 4a3262dfb5 (このIDを非表示/違反報告)
レイれい(プロフ) - とても面白いです!更新頑張ってください (2019年11月1日 5時) (レス) id: bed35b9be5 (このIDを非表示/違反報告)
ベルリラR*(プロフ) - 葵さん» ありがとうございます!本音を言うとかなり不安だったので嬉しいです!更新頑張ります! (2017年6月11日 17時) (レス) id: 4a3262dfb5 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 話面白いです!!続き楽しみにしてます!更新頑張ってください!!! (2017年6月11日 15時) (レス) id: 7443137317 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ラディ | 作成日時:2017年6月9日 10時

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