語り手さん【マギ】

第１１夜 神官さんのセカイ ページ18

「……んだ？ここは…………」


白でもない、黒でもない、ただ透明な世界が広がっている。

「ま、どんな所だろーがぶっ壊せばいいよな！
サルグ・アルサーロス！！」


ﾎﾟﾌｯ……


それはちっせー雪の結晶……ん？



「は……ぁ？
ハァ！？なんだよこれはよぉ！！」


いくら撃っても氷はショボくてちっせーまま。
降り注ぐどころの量も作れやしねぇ。


＜おやおや……マギではありませんか＞

「……アリオスか。どうなってんだ？ここ、お前の世界だろ？」


一瞬。
瞬きをすればそこには青い巨人__精霊(ジン)が座っていた。



記憶の限りじゃあここはアリオスが創った世界。
透明だと思ってた周りは小さな映像が写し出され、リピートしている。

ここは俺の記憶の中の世界。



「あいつは！」

＜あいつ……？我が主のことでしょうか、マギよ＞


「そーだよ！アリオス、俺を早く現実(もと)に還せ！出来んだろ！？」

＜なりません、マギよ。
この世界は我が主の命以外では出せない仕組みとなっております。例えマギ……貴方様でも＞


皮肉めいた顔で俺を諭すアリオス。
こいつは他と違って俺をガキ扱いするし、崇拝もしねぇ。
したとしても表側だけ。

だからコイツは嫌いだ。
あいつが使った能力も全部、嫌いだ。




_______

『時間だ』

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