語り手さん【マギ】

続 第５夜 ページ11

…………でした。おしまい』


パチパチ。
静かな部屋に響く拍手。

叩いているのは片目さん。目を細めて笑っていた。
いや怖いんですけど。

一方目力さんは若干此方に身を乗り出していた。
ワクワクしているともとれる、アダ名の通り目をギラギラさせて。
あんたも怖いわ。

女子力高男さん？
スッゴい目を輝かせてるよ。


「いやぁ、お見事でした。
さすが"語り手"。まさか全巻一字たりとも間違えないとは……」


「ねぇねぇ！他の話は！？」

『ご所望とあれば……何がいいですか』

「えっとねぇ…………」




「お前」

『……………はい』

「お前、【平行世界(パラレルワールド)】を聞いたことがあるか」

『……ありますよ』


驚いたな〜。
こーゆー人も気になるんね☆
え、ウザイ？知ってる。

はいここで文面に注目！
目力さんの文が疑問文じゃないっっ！！！

❓がついてないからね。
なんスカそれ、威圧ですか。
それとも私が分かること知ってて「はい以外言わせねぇぞ」
的なやつですか。


え、違う？
さーせん。



まいっか。
それにしても……これを聞いてくる人何人目だろう？



『パラレルワールドはご存知の方もいると思いますが一応説明させていただきます』

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