封印されてた魔導師【マギ】

第６夜 ページ8

「な、なんだあれ！！！」


近くにいた仲間らしき人物が声をあげました。
体も、声も、震えています。


「ハルハール」


また少女は棒を向けて、呟きました。


「ぐぁああ！！ぁあ……っ！！」


体を火だるまにして転げ回る兵。
少女はその様子を、ただただ冷めた目で見るのでした。






少女はたった1夜で奇襲をかけてきた隣国の敵兵を壊滅させました。


暴虐の限りを尽くした少女は泣きました。
叫びながら泣きました。
涙は枯れることを知りませんでした。









しばらくして、少女は老人に出会いました。
老人は言います。


「私と一緒に来ないか？君を悲しませるものはなにもない。
君の仲間がたくさんいる。」


少女は老人について行くことを決ました。
そして、もう、誰もいなくなった国に


「また来るね。」


しばしの別れを告げたのでした。









老人に連れられて来たのは、魔導師の国でした。


「ここで学びなさい。きっと君の役に立つ。」


老人は少女にそう言いました。
国の学院へ編入した少女は驚くほどの早さで成長していきました。
少女は天才的な膨大な魔力を操るセンス、そして魔法を開発する頭脳を持っていたのです。

もともと簡単な魔法しか知らなかった少女は、己の本能に任せるまま、
急速に成長を遂げ、編入してたった2週間で幹部にまで登りつめたのです。



そんな少女の1番の友達は老人の同じ養子の少女でした。
彼女もまた、天才だったのです。
2人の少女は仲良く育っていきました。





少女が学院に入って1年と半年が過ぎた頃、
少女は国を出ることにしました。
その旨を老人に伝えると、寂しそうに、快諾してくれました。

他の誰にも、自分のことを話さないこと

そんな約束をして、少女は出発しました。

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