封印されてた魔導師【マギ】

第１６夜 ページ19

ジャーファルside



………落ち始めてどれほどの時間がたっただろう？
そんなこと考えが頭を掠めるほど、私たちは落ちている。


「なぁ、本当に会えるのか？」


シャルルカンが問いかけた。
会えるのか、というのはおそらくヤムライハの幼馴染だという
魔導師、Aさんのことだろう。


…ヤムライハがあまりに興奮して話すものだから、気になっているようだ。
ずっとソワソワソワソワ………お前は乙女か。



「信じるも信じないも君の自由さ。僕だって本当は会わせたくないし…。」


ポツリ。
呟きはおのずと耳に届く。


「は？何言って…。」
「うるさいよ、もう着くから黙ってくれない？」

ジンに聞くもツンとした態度で返される。
今から会うのがこんな人物でないことを願った。

．





．





．





．





．






「さ、着いたよ。」

「………本当にここにいるの！？」

ヤムライハが声を荒げる。
それもそのはず、あれだけ長い時間をかけて着いた場所が


「なんだよ…ここ。」

「おっきいね〜！」

「まぁ！かわいらしいお花！」



周りの壁は全て本、本、書物、書物。
それぞれの棚の下には太めの管が繋がれており、
それらは中央に浮かぶ、巨大な水晶に同じように繋がれていた。
水晶はぼんやりと紫色の光を放っている。
その上地面は一面の花畑…。


こんな場所に本当に彼女はいるのか。
疑いたくもなるだろう。


「だからさぁ。言ってるでしょ？信じるも信じないも君たち次第。」

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