15話 ページ15
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｢そうだ、これ、クリーニングと直ししたやつ｣
ん？なにこれ。
ユニフォーム…？？
……？
『え！？く、クリーニングと直し！？
清水さんがやってくれたんですか！？』
｢う、うん｣
『いや、え、あ、ありがとうございます！いや！！すみません！』
うわぁああ、清水さん一人にだけやらせてしまった…。
私、最低！！酷い後輩だぁ！
｢あぁ、大丈夫だよ。
Aちゃんが入部してすぐくらいに始めてたことだから、そんな慌てないで！｣
私の慌てように必死で宥めてくれる清水さん。
うぅっ、申し訳なすぎる。
『ほんと、ありがとうございます。
せめて私が全部持って行きます。いや、持っていかせてください！！』
断る清水さんから無理やりにでも奪い、体育館に向かう。
｢先生｣
ボール拾いを頑張る武田先生に話しかける。
｢あぁ、できた？｣
｢はい。
クリーニングとか直し、終わりました｣
集合、と声がかけられ、みんなが集まってくる。
武田先生が一人一人に配ってくれてる。
『これ、清水さんが直しとか諸々やってくれたんだよね』
｢へぇ〜ありがたいな｣
そばに居た縁下に言う。
私じゃないんです。
私なんもしてないんです。
｢ノヤさんだけオレンジだ！目立つ！｣
ん、本当だ。
『ねね、なんで？』
｢あー、リベロは試合中に何回もコートを出入りするのは知ってる？｣
『うん』
｢だからわかりやすいように一人だけ色が違うんだよ｣
へぇ〜。
リベロは色が違うんだ。
よし、覚えた。
近くで影山も同じ説明を日向にしてた。
ひ、日向は経験者だよね…？
まぁ知識なんて人それぞれだよね、知らないことだってある。
…？
『日向、どうしたの？』
｢か、影山が…一桁…｣
あぁーー、はは。
田中と月島が｢言うと思った｣とケラケラ笑ってる。
すっごい悔しそ〜。
｢あ、そっか、番号までは覚えてないか｣
｢テレビで一回見たきりだもんな｣
｢"小さな巨人"が全国でた時の番号。
10だったぞ｣
小さな巨人？
また知らない単語。
もっと勉強しなきゃ…。
日向はコーチの粋な計らいですか！？とか、妬むなよ影山くん、とか言って嬉しそうにしてた。
その後烏養コーチから言葉をもらい、今日は終わった。
合宿所の部屋に戻り、スマホを開く。
『小さな巨人、とは』
小柄でも優れた力を持っている人のことを指すらしい。
昔の烏野にも居たんだ。
ぜひこの目で見たかったな。
じゃあ、今のウチの小さな巨人は、日向なのかな。
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作者名：ふゆ | 作成日時：2024年2月25日 2時
