11話 ページ11
・
「4日後には音駒と練習試合
終わればすぐにIH予選がやってくる。
時間が無い。
でもお前らは穴だらけだ。
勝つためにやることは1つ」
練習…練習…練習。
ゲロ吐いてでもボールは拾え。
烏養コーチがとてもスパルタのような事を言う。
けれどそうでもしなきゃ音駒にはもちろん、IHでも勝ち上がることはできないのだろう。
『ゲロ吐かれる準備しといた方がいいですかね…』
「そうだね、念の為に袋とか置いとこうか」
「前前!!!
オラァ!ラスト一本に何本かかってんだ!」
「ッ!もう一本!」
次はスパイク練習。
影山とスガさんが上げる。
そういえば、正セッターってどうなるんだろう。
今まではスガさんが正セッターだったけど、あの天才一年影山くんは、今までスガさんが築いていたものもすぐに超えていくんだろう。
スガさん…。
いやいや、私が同情するのは失礼でしょ!!
多分スガさんが一番わかってて、一番しんどいんだから。
「Aちゃん、私たちはそろそろ移動しよっか」
あ、そうか!
準備があるんだった!
『はい!』
こっ、ここが合宿所!!!
すっごいなぁ、素敵!
何か出てきそうだけど!
『何作るんですか?』
「えっと、」
「カレーだよ」
うぉ武田先生だ。
エプロン可愛〜。
『カレーか!良かった〜カレーなら作れます』
なんかもっと手の込んだものだったらどうしようかと。
あんまり料理は得意分野じゃないから…。
暫くすると、外が騒がしくなってきた。
皆が来たのかな?
「みんな来たみたいだね、見てくるよ」
武田先生が扉を開けると、そこには倒れている西谷と田中。
何この人たち…。
さては清水さんが帰ってしまうことを今知ったとか…?
「うわぁっ、なにやってんの君たち」
武ちゃん…!と枯れた顔で言う二人の前に清水さんが現れる。
すると瞬く間に生気が戻る二人。
はは、やっぱりな。
『全く、なにやってんだか、汚いから早く起きなよ〜』
「お!A!お前は残るのか!?」
西谷の質問に『え、うん、まぁ残るかな』と答えると
「よっしゃぁあ!!女子がいるぞー!」
と騒がしくなった。
ほんと、なんなのこいつら…。
練習で疲れてるだろうに、どっからそんな元気が湧いてくるんだか。
・
306人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ふゆ | 作成日時:2024年2月25日 2時