三十七話 ページ3
・
それから時が経ち、私は18歳になった。
初めは医療班になりかけたけど、私の強い意向とマルコが責任をもって守るという約束の下‘‘一番隊副隊長’’の肩書きを手に入れた。
ある日、貴重な飛行能力持ちという点を買われて次の島の偵察からモビーに戻って来ると、見知らぬ男が船縁に座り込んでいるのが目に入った。
…はて、あんな若い男性は居ただろうか?
新しい家族なのかな?でもテンガロンハットを被った青年には数箇所の打撲痕が見受けられる。
…もしや白ひげ海賊団に喧嘩を売って敗北した他所の海賊なのでは??…とりあえず話してみよう。
「えっと、こんにちは」
「…」
「見ない顔だけど、もしかして新しい……人?」
初めは新しい‘‘家族’’なのか尋ねようと声をかけたけど、瞬間青年の表情が曇ったため咄嗟にて新しい‘‘人’’なのかと言葉を変える。
…が、青年はすぐに視線を逸らし口を閉ざしてしまった。
しかしその程度でめげる私では無い。無視?そんなもの昔は日常だった。今の私のメンタルの強さは鋼なのだ。
そして、この船で学んだのが会話の大切さ。
白ひげ海賊団は赤髪海賊団の比にならないほどの大人数、1600人も居るのだから‘‘言葉にしなければ伝わらない’’のだ。もちろん察してくれる事もあったが常にそうとは限らない。
…あの頃も諦めずに言葉にし続けていれば何か変わっていたのかもしれない。
けどそれはもう終わってしまったもの。タラレバ言ったところで何の意味もない。大切なのは今。例え目の前の青年が心を閉ざしていても、嫌悪感を持たれていても、対話を諦めるような事だけはしない。
「私ね、Aって言うの。貴方は?」
「……エース。ポートガス・D・エースだ」
人に名を尋ねる時は自分から、という事で先に自身の名を名乗り、男に名を尋ねけどこれは驚いた。
エースって確か七武海の勧誘を蹴った海賊じゃなかった…?そんな人物がまさかこの船に乗っているとは…
いや、それよりもエースは炎の自然系では?仮に本人が望んでこの船に乗っていないのなら下手すれば燃やされるぞ。無論そんな真似させないけど。
「そっか、エースだね。よろしく」
「…」
またもや無視。やっぱり仲良くする気は無いということか。
エースはいずれ船を降りて去って行くのか、それとも家族の一員として盃を受け取るのか。まぁ結果がどうであれ面白そうだなと、私は愉快そうに笑うのであった。
1250人がお気に入り
「オリジナル」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
マシロ_mashiro(プロフ) - 翡翠さん» コメントありがとうございます!やっぱり仲違いしたままは後味が悪いですもんね。最後までご愛読ありがとうございました(*´▽`*) (5月8日 7時) (レス) id: 664df39994 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠(プロフ) - コメント失礼します! 一気読みしてしまいました。最終的にそれぞれの、気持ちを話し合って和解できて良かったなって思いました。とても、面白かったです!! (5月7日 23時) (レス) @page50 id: 18462604da (このIDを非表示/違反報告)
マシロ_mashiro(プロフ) - 文ストオタクの一般人さん» 過保護になりすぎないように執筆していたはずなのにいつの間にか…妄想って怖いですね笑、どんどん拡がっちゃいます。ご愛読ありがとうございました! (2023年3月14日 16時) (レス) id: 664df39994 (このIDを非表示/違反報告)
文ストオタクの一般人 - 皆過保護だけどマルコがwwめっちゃ良かった!、、、です! (2023年3月14日 8時) (レス) @page47 id: 14fd5e9416 (このIDを非表示/違反報告)
マシロ_mashiro(プロフ) - 桔梗さん» そう言っていただけると執筆したかいがありました!最後までお付き合い頂きありがとうございます!! (2023年2月10日 18時) (レス) id: 664df39994 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:マシロ_mashiro | 作者ホームページ:http:
作成日時:2023年1月7日 15時