四十六話 ページ48
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にしても、この壁何かボコボコするな…
誰かが傷つけたの?と思い壁に視線を移すと
「…本棚」
壁と思っていたのは本棚でした、恥ずかし…
おっとそんなことより点字の本…何処かに無いかな
違う、違うと視線を上から下に移動させて探すこと約一分
やっと目的のものを見つけることが出来た…けど
「んん…!」
引っ張ってもなかなか取り出せない
ここだけギチギチに本が詰まっていて、指を突っ込んで真ん中辺りを持って取り出すことが出来なくなっていた
本の上の方を持って取り出すのは本が傷つく原因になるからダメ!って昔先生に言われたからな…
…仕方ない。足を本棚の下の方に固定し、全体重を使って本を傷つけないように引っ張り出そうとする
「あと…ちょ、っと…うわっと!」
スポン、と綺麗に本棚から本を取り出すことに成功した
けど全体重をかけていたのもあって、勢いがつき反対側の本棚にドンッとぶつかる
「…?ソフィアさん?」
突然の大きな音に驚いたのか、ヘレナはビクッと肩を震わせて音の出処を探していた
「大丈夫よ、お気遣いなく」
…グラグラ
後はこの本をヘレナに渡して会話をするだけ…!
エマの時と比べたらまだ何とかなりそうで良かった
満足気に本の表紙をを見ると、表紙に書かれていたのは
"学ぼう!点字の本!"……思ってたのと違う
もっとこう…物語?ストーリー系の本を期待していたんだけど…それならヘレナに読み聞かせをしてもらったりとか…
予想外の本のタイトルにガッカリし、ため息をついて本を元に戻そうと考える
ただ、あの本棚には既にギチギチに本があるからなぁ…別の所に戻すか、と思って先程ぶつかった本棚を見上げた
グラグラ…グラッ
「え?」
私がさっきぶつかったせいか、本棚はぐらついていて今にも倒れそうだった…否、こちらの方に倒れて始めていた
「っ、ヘレナ!」
「どうし…きゃあっ!」
ヘレナの返答を待たず思いっきり突き飛ばす
今から来るであろう痛みに耐えるため、手で頭をガードする。
「ソフィアさん!?」
結論から言うと本棚が直撃することは無かった
反対側の本棚に突っかかったからである
その代わり大量の本が降り注いだ
本といっても分厚い図鑑のようなものが多かったため、私は少しの間意識を失った
らしい
何故らしいなのかというと、私もさっき目を覚まして
イライから話を聞いたから。
そしてもう1つ
…ヘレナも怪我をしてしまった
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いちゅご - うっわぁー、今作もなかなか素っ晴らしい作品ですことぉ、いやー頑張って下さい!応援しますね! (2021年12月8日 6時) (レス) @page37 id: 64d6b8d47d (このIDを非表示/違反報告)
ハル - 面白いです!前作から来ました!今作も更新頑張ってください!応援してます! (2021年12月7日 19時) (レス) @page36 id: f8a065d408 (このIDを非表示/違反報告)
水1000 - 新作おめでとうございます。前作と対照的なんですね。とても素敵です! というか、好きです。更新は無理せずにのんびり頑張ってくださいね。 (2021年12月4日 13時) (レス) id: 7eeeabd9b8 (このIDを非表示/違反報告)
シロツメココロ - 大変遅くなりましたが、新作おめでとうございます! ストーリーがとても素敵で引き込まれるような…面白い作品です。更新頑張ってください。私も学生なので、無理にとは言えませんが (2021年12月4日 12時) (レス) @page21 id: 17dcd8da60 (このIDを非表示/違反報告)
焙じ茶 - とってもとっても好きです、、!更新楽しみに待ってます、頑張ってください! (2021年11月29日 17時) (レス) @page24 id: 0167f82c96 (このIDを非表示/違反報告)
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