手鏡1 ページ42
side：樋口
「はぁ…」
仕事を終えての帰り道は、どうしても溜息が多くなる。
上からの無茶な任務、云う事効かない部下…。
特に異能があるわけでもなく、人を殺める事すら未だに手が震える。
この組織において、自分などいくらでも代えが効く。
「お嬢さン、お悩みカナ？」
「え…？」
突然かけられた声に顔を向ければ、占い師の様な風貌の人物が出店を開いていた。
こんな人通りも少ない道で、商売になるのだろうか。
「仕事デは必要とされズ、想い人ニハ伝わラない…」
「っ！」
占い師の言葉にドキリと心臓が跳ねた。
当たっている。
想い人という言葉に脳裏を過ったのは、黒外套を纏う先輩の姿ー。
其れと同時に…
「(あの女…)」
先輩の事を龍之介と名前で呼び、親し気に話していた払い屋の女の顔が浮かぶ。
先輩との関係は未だに分かっていない。
「お力ヲお貸シマショウか？」
「…結構です」
見るからに怪しい占い師の言葉なんか、信じてなるものか。
仕事の悩みも恋の悩みも、女なら皆が持っている物だ。当てずっぽうで言っても当たるだろう。
「まァ、ソウ云わズ…お代ハ結構デスので…」
「は、お金…は取らないと？」
「はい、人々の悩ミを解決スル事が私の仕事デスから」
話しだけでもと続ける占い師に、靡いてしまった。
足は自然に出店へと向かう。
「ドウゾ、この鏡ヲ」
「これは…？」
渡されたのは丸い形の手鏡だった。
なんの変哲もない鏡を受け取って、自分の顔を映してみる。
なぜだろう。
その鏡を見ていると、不思議な気分になった。
「お気に召さレたヨウで何よリデす。是非、お持チ帰り下サい」
その後、どうやって家に帰ったのかは覚えていない。
家で目を覚ました時、枕元に占い師からもらった鏡が置かれていたー。
手鏡2→←イラスト頂きました！･:*+.(( °ω° ))/.:+
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をたく - 夏目友人帳とコラボでこの作品出してほしい (2020年1月3日 4時) (
レス) id: cd1a846ab2 (このIDを非表示/違反報告)
光牙 - 怪奇症候群を思い出すなぁ... (2018年8月16日 20時) (レス) id: bfcb6bfd1c (このIDを非表示/違反報告)
amato(プロフ) - ルルさん» コメントありがとうございます！猿夢はグロいですよねｗしかも、元ネタ読むと自分も同じ夢を見るという噂が…。まぁ、私見てないんですけど (2017年8月31日 6時) (レス) id: 6e722ca549 (このIDを非表示/違反報告)
ルル(プロフ) - ヒャ、猿夢はトラウマです…うぅ…(長い間見てなかったです。すみません) (2017年8月30日 5時) (レス) id: 622016f6ff (このIDを非表示/違反報告)
amato(プロフ) - にぃさん» ありがとうございます！ (2017年8月27日 9時) (レス) id: 6e722ca549 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：amato | 作成日時：2017年8月16日 22時
