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猿夢6★ ページ26

side:泉

『鏡花ちゃん、大丈夫!?』
「扉が開かない…!」

床には、小人達の足止めをしてくれた乗客達の肉片ですぐに埋め尽くされた。
1人、また1人と人の形を消していく。

”ええ〜車内への不法侵入はお断りいたします〜”

『きょうか…、…ん…て…』
「敦?敦!」

如何しよう、敦の声が聞こえなくなった。
お守りから暖かさが消える。
不安と恐怖が一気に押し寄せる。
敦の声が聞こえないだけで、こんなにも悲鳴と肉を裂く音が鮮明になるものなんだ。
血の臭いが異様に鼻に付いた。

「あつ、し…?」

熱を失ったお守りが、一瞬だけ、熱を取り戻した。
錆びついた扉を睨みつけ、力いっぱいお守りを投げつけた。

「っ…!!」

眩い光に目を閉じて、次に開けた時には、扉が綺麗に消えていた。
ボロボロになってしまったお守りを拾い上げ、誰もいない運転室に足を踏み入れる。
核を探せと敦は云った。

「…猿の、お面?」

運転席にぽつんと置かれた電車に不自然な猿を模したようなお面が目に付く。
核とは、これの事だろうか。
刀を取り出して、お面に向けて振り下ろした。

”車内への〜危険ぶキャアァァアアァァアアア”

お面を刀が貫くと、アナウンスが悲鳴を上げた。
お面のひび割れから光が漏れ、扉の形を作った。
きっと、これをくぐれば帰れる。

「あの人達…」

後ろを振り向けば、すぐ後ろで最後の一人が小人と対峙していた。
光の扉とは裏腹に地獄絵図の様な光景に息を飲む。

”逃がしませんよ〜”
「ダメ…!」

ノイズ混じりに聞こえたアナウンスに、光の扉が少しずつ狭まっていく。

「貴方も…!」

最後の乗客に向けて手を伸ばした。
ゆっくりと此方を振り返ったその人は、私の手を取らず、その手を私の頭に乗せた。

『人助け、がんばって』

溢れ出る涙、喉は震えるのに声が出ない。
とんっと身体を押され、私は光の扉の中へと落ちていったー。

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をたく - 夏目友人帳とコラボでこの作品出してほしい (2020年1月3日 4時) (レス) id: cd1a846ab2 (このIDを非表示/違反報告)
光牙 - 怪奇症候群を思い出すなぁ... (2018年8月16日 20時) (レス) id: bfcb6bfd1c (このIDを非表示/違反報告)
amato(プロフ) - ルルさん» コメントありがとうございます!猿夢はグロいですよねwしかも、元ネタ読むと自分も同じ夢を見るという噂が…。まぁ、私見てないんですけど (2017年8月31日 6時) (レス) id: 6e722ca549 (このIDを非表示/違反報告)
ルル(プロフ) - ヒャ、猿夢はトラウマです…うぅ…(長い間見てなかったです。すみません) (2017年8月30日 5時) (レス) id: 622016f6ff (このIDを非表示/違反報告)
amato(プロフ) - にぃさん» ありがとうございます! (2017年8月27日 9時) (レス) id: 6e722ca549 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:amato | 作成日時:2017年8月16日 22時

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