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猿夢5★ ページ25

side:泉

『鏡花ちゃん、そこで右に曲がって!』

一直線のはずの電車内で、敦の指示に従って右左に曲がって進む。

『そのまままっすぐだ』
「わかった」

随分と長く走っている気がするが、未だ運転席は見えない。

”お客様〜走行中はご着席願います〜”

「あ…!」

暫く聞いていなかったアナウンスが突然流れ、後ろのドアが開く。
鎌や鉈、様々な武器を持った小人が7人。

「邪魔はさせない」

小袖から刀を取り出して構える。

『鏡花ちゃん、大丈夫!?何があったの!?』
「…敦…!」

ごめん、少し待ってて。
キッと小人を睨みつける。
振り下ろされる刃を躱し、刀で小人の武器を受け止める。

「あ…!」

行きつく暇もなく振り下ろされる刃を躱す拍子に、握りしめていたお守りが手から離れた。
駄目、アレは敦の…!
お守りを無くしたら、二度と帰れないような不安に襲われ、小人に背を向けてお守りを拾った。

”次は八つ裂き〜八つ裂きです〜”

しまったー。
そう思った時には遅く、小人の刃がすぐそこまで迫っていた。

「え…どういう、こと?」

切り裂かれたのは、私に覆いかぶさるように小人との間に割って入った乗客。
血飛沫が全身にかかり、悲鳴が耳を貫く。

『鏡花ちゃん、どうしたの!?』
「敦…っ」

お守りが戻った瞬間に取り戻した暖かさと、私を導く声に安堵する。
お守りが輝き、闇の向こうを示した。

『Aさんが道を示してくれてる!その方向に走って!』

自分を庇い肉片となった乗客に目を向ける。

「…ありがとう」

もう、お守りを手放さないようにしっかりと握る。
光が示す方へ走った。

”お客様は〜席にお戻りください〜”

「戻らない、帰らせてもらう」

辿り着いた一枚の扉。
硝子窓から中をのぞけば、そこには誰もいない。

”お客様は〜席へお戻りください〜聞いて貰えない場合は〜”

後ろで聞こえた扉の開く音にハッとして振り返る。
そこには、血の滴る刃を掲げた小人達。

『鏡花ちゃん、何とか運転室の中に入って!運転室の中にある電車の核を壊すんだ』
「核…?」

とにかく、この扉を開けないといけない事は分かった。
錆びついてボロボロの扉なのに、ビクともしない。鍵もかかっていないのに。
小人も迫っている。

「え、また…どうして…?」

電車の大勢の乗客たちが、小人と私の間に割り行った。
端の方から、血飛沫が上がった。
どさりと人の倒れる音と、肉を裂く音、それから悲鳴。
電車の床は、すぐに血で染まった。

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をたく - 夏目友人帳とコラボでこの作品出してほしい (2020年1月3日 4時) (レス) id: cd1a846ab2 (このIDを非表示/違反報告)
光牙 - 怪奇症候群を思い出すなぁ... (2018年8月16日 20時) (レス) id: bfcb6bfd1c (このIDを非表示/違反報告)
amato(プロフ) - ルルさん» コメントありがとうございます!猿夢はグロいですよねwしかも、元ネタ読むと自分も同じ夢を見るという噂が…。まぁ、私見てないんですけど (2017年8月31日 6時) (レス) id: 6e722ca549 (このIDを非表示/違反報告)
ルル(プロフ) - ヒャ、猿夢はトラウマです…うぅ…(長い間見てなかったです。すみません) (2017年8月30日 5時) (レス) id: 622016f6ff (このIDを非表示/違反報告)
amato(プロフ) - にぃさん» ありがとうございます! (2017年8月27日 9時) (レス) id: 6e722ca549 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:amato | 作成日時:2017年8月16日 22時

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