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二体様3 ページ32

side:ナオミ

兄様と2人、屋敷に入り、主人失踪の手掛かりになりそうなものを探すも、目ぼしいものは見つからない。

「そうだ、兄様。近所の人の話によると、誰もいないはずのこの屋敷から物音が聞こえるそうですわ」
「え!?」

うふふ、作戦成功。
兄様は、思った通りの表情を見せてくた。
外で話さず、雰囲気のある屋敷の中で話してよかった。近隣住民の話では、猫か犬でも住み着いたのではないかという話だ。

「ナオミ、なんで今そんな話するんだよ!」
「だって、今思い出したんですもの」

Aさんと知り合って、オカルトには多少信憑性を持って捉える様になったが、こういった現場では現実的に考えられることに目が行ってしまう。
何より、兄様の怯える表情がステキでやめられない。

「ぇ…?」
「どうしたンだ?」
「今…何か…」
「ま、また脅かそうとしてるだろ…!」
「違いますわ!」

今、視界の隅で影が動いた気がした。
本当に、犬や猫が住み着いているんだろうか。

「ナオミ、大丈夫?顔色が悪いけど…」
「…誰かに、ずっと見られている様な。兄様は感じませんの?」
「この屋敷自体が不気味だし…」

視線に気づいたのは、私が視界の隅に影を見てから。
私達が一部屋一部屋移動して屋敷の中を調べているのに、付いて来ている様に、見張られている様に感じる。

「この部屋で最後だ」
「きゃっ…」
「これは…!」

扉を開ければ、大量の人形が雪崩た。

「…どの人形も、身体の一部が…」

壊れてるー。

ギシ、ギシ…

「兄様、今…」
「誰かいる…!?」

犬や猫なんかじゃない。
誰かが痛んだ床を踏みしめる音。

「細雪…!」
「兄様?」
「誰か来ても、細雪で僕達は見えない。大丈夫だ」
「…はい」

不安は拭いきれないけれど、兄様に微笑みを向けた。
人形ばかりの部屋の探索にを行うと、この屋敷の主人の物らしい日記を見つけた。

「今日はこのぐらいにして、一旦戻ろう」
「そうですわね」

見つけた日記を手に外に出れば、太陽が西に傾きかけていた。

「え…っ!?」
「ナオミ?」
「今、窓に…」

ふと見上げた屋敷の窓に、人の顔を2つ見た気がした。
しかし、次の瞬間には消えていて…

「何でもないわ、行きましょう」

きっと気のせい。
兄様には笑って誤魔化した。

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をたく - 夏目友人帳とコラボでこの作品出してほしい (2020年1月3日 4時) (レス) id: cd1a846ab2 (このIDを非表示/違反報告)
光牙 - 怪奇症候群を思い出すなぁ... (2018年8月16日 20時) (レス) id: bfcb6bfd1c (このIDを非表示/違反報告)
amato(プロフ) - ルルさん» コメントありがとうございます!猿夢はグロいですよねwしかも、元ネタ読むと自分も同じ夢を見るという噂が…。まぁ、私見てないんですけど (2017年8月31日 6時) (レス) id: 6e722ca549 (このIDを非表示/違反報告)
ルル(プロフ) - ヒャ、猿夢はトラウマです…うぅ…(長い間見てなかったです。すみません) (2017年8月30日 5時) (レス) id: 622016f6ff (このIDを非表示/違反報告)
amato(プロフ) - にぃさん» ありがとうございます! (2017年8月27日 9時) (レス) id: 6e722ca549 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:amato | 作成日時:2017年8月16日 22時

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