二体様1(フユキ様からリクエスト) ページ30
「38.5℃…完全に風邪だな」
「そんなぁ…」
ベッドの中から、体温計と睨めっこする作之助を見上げる。
昨日の夜、ちゃんとアンドレの言う通り熱を測っておけばよかったと後悔してももう遅く、二人からは朝一で熱が下がるまでの外出禁止令がだされた。
冷えピタが気持ちいい。
「A、体調はどうだ?粥を作ったが」
「食べるー!」
「食欲は普通にあるんだな」
あたぼうよ!
身体は怠いし、頭は痛いが、お腹はぺこぺこだ。
「何も食べられないよりはずっといい。だが、腹を壊さない程度にしておけ」
「ふぁひ」
頭を撫でてくれたアンドレの手は、お粥と同じくらい温かかった。
「しかし、Aがこの調子じゃ事務所は暫く休みにするしかないな」
「二人で出来そうな依頼は引き受けたら?私が選別するから。弾はまだあるでしょ」
弾が切れて私が回復しなかったら、その時は事務所を休みにするしかないけど。
「分かった、今事務所に届いている依頼をもって来よう」
「Aは大人しくしてるんだぞ」
「…わかってますよー」
八尺様との戦いに始まり、新月に呪いを受けて、その影響が抜けきらない身体での慣れない術の使用…。
今の発熱は完全に霊力の使い過ぎによる疲労だ。身体が休息を求めたんだろう。
特に、昨日は慣れないイタコの術の応用使用と、銀零を使っての霊視で、普段の何倍もの霊力を使った。鏡花ちゃんのためとはいえ、呪いの影響が抜けきっていない身体で我ながらに無茶をした。
二人の言う通り、今回ばかりは大人しく休もう。
「A、入るぞ。届いている依頼を持ってきた」
「はーい」
私の記憶が正しければ、私がすぐ手を付けなければいけないような緊急性の高い依頼は来てなかったはずだ。
再度依頼を確認するも、二人に任せて大丈夫そうだ。
「アンドレははこの4つ、作之助はこっちの3つね。よろしく」
「分かった」
「じゃあ、俺たちは依頼解決に行ってくるから、何かあったらすぐに連絡するんだぞ」
「薬もちゃんと飲め、いいな?それから、甘いものは腹に負担がかかるからやめておけ。どうしても欲しいなら、果物を切って冷蔵庫に入れておこう」
「わ、わかったわかった!大丈夫大人しく寝てます!」
お母さんか!
因みに、病院に行くのは私が必死で回避した。
本当に私をいくつだと思ってるんだ。確かに出会った時は16歳だったが、アレからもう4年経ってるんだぞ。
再度何かあったら連絡するよう忠告した二人を見送って、私はベッドに潜り込んだ。
二体様2→←イラスト頂きました!・:*+.(( °ω° ))/.:+
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をたく - 夏目友人帳とコラボでこの作品出してほしい (2020年1月3日 4時) (レス) id: cd1a846ab2 (このIDを非表示/違反報告)
光牙 - 怪奇症候群を思い出すなぁ... (2018年8月16日 20時) (レス) id: bfcb6bfd1c (このIDを非表示/違反報告)
amato(プロフ) - ルルさん» コメントありがとうございます!猿夢はグロいですよねwしかも、元ネタ読むと自分も同じ夢を見るという噂が…。まぁ、私見てないんですけど (2017年8月31日 6時) (レス) id: 6e722ca549 (このIDを非表示/違反報告)
ルル(プロフ) - ヒャ、猿夢はトラウマです…うぅ…(長い間見てなかったです。すみません) (2017年8月30日 5時) (レス) id: 622016f6ff (このIDを非表示/違反報告)
amato(プロフ) - にぃさん» ありがとうございます! (2017年8月27日 9時) (レス) id: 6e722ca549 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:amato | 作成日時:2017年8月16日 22時