目を覚ます ページ6
私はふと目を覚ました
目の前には白い天井
周りからは規則正しい機械音が聞こえる
…ここは病院か
右手の温かさにそっと目を向けると母さんが私の手を握りながら眠っていた
髪の毛はボサボサ
目の下にはくっきりとクマがついていた
ずっと付いててくれたんだね
ありがとう
そんな気持ちを込めて母さんの手を小さく握りしめた
それに母さんが反応して起きてしまった
「ごめん、起こしちゃ…」
謝ろうとする私の言葉を止めたのは他でもない母さんの涙だった
初めて、見た
母さんが大粒の涙を流す
「どうして泣いて…」
松代「良かった…!」
私の言葉を遮り母さんは私をきつく抱きしめながら言った
「か、母さん。痛いよ…」
その言葉を聞き、慌てて離れ泣き笑いの顔でごめんね、と優しい声で言った
傷のところが痛んだ
けれど悲しくて辛い痛みではなく嬉しい痛みだった
松代「…本当にごめんなさい」
母さんが俯きながら言う
え?もしかして母さん落ち込んでる?笑
ってふざけて言ってみようかと思ったけど、そんな雰囲気では無いことが分かったので黙っていることにした
松代「もっと、もっと早く気づいてあげてればこんなにAの体も心も傷つくことは無かったのに…。気づいてあげなくちゃいけないことだったのに気づけなかった…。」
ゆっくりと顔をあげた母さんは泣いていた
綺麗だな
ふとそう思ってしまうほど綺麗だった
ニッコリと無理やり笑顔を作って母さんは口を開いた
松代「私、Aの母さん失っか…」
「そんなことないっ!!!」
私は大声で叫んでいた
体が痛むのも今は関係ない
だって、だって
「母さんは、私の母さんだよ。世界に一人しかいない、かけがえのない母さんだよ。だから、そんな悲しい顔して、そんな悲しい事言わないでよ。」
自然と涙がこぼれてきた
母さんは分かっていない
一体どれだけ母さんのその愛情に私が救われたのか
一体どれだけ母さんの言葉で励まされてきたのか
母さんは私に数え切れないほどの表しきれないほどのやさしさと愛情をくれた
なのに、母さん失格なんて、そんなこと言わないで
そんなこと、言わせたりしない
「母さっ…ん。そんなこと、そんなこと言わないでっ…ウッ…ヒック」
松代「…ありがとう。ごめんね」
母さんはそう言って嗚咽をあげながら泣く私を優しく抱きしめ続けた
とても
とても温かかった
しばらくして落ち着いてから母さんは丸二日眠っていた私が目を覚ましたことを父さんに伝えた
そしてそれは、あの兄さん達にも伝わった
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ゆに - 面白い……十四松優しい… (2019年4月27日 17時) (レス) id: a4bba7989b (このIDを非表示/違反報告)
もふもふ(ノ)・ ω・(ヾ)(プロフ) - 莉奈さん» メッセージありがとうございます!どうか最後まで頑張るので温かく見守っていただけると嬉しいです。 (2018年10月23日 20時) (レス) id: 22536de8cb (このIDを非表示/違反報告)
莉奈 - 更新頑張ってください。楽しみに待ってます。応援してます。個人的にはハッピーエンドがいいです。 (2018年10月23日 20時) (レス) id: 59f256afe6 (このIDを非表示/違反報告)
もふもふ(ノ)・ ω・(ヾ)(プロフ) - 匿名さん» あまりにも不快でしたら削除するのでどうぞコメントしてください! (2018年5月2日 19時) (レス) id: 26962884e2 (このIDを非表示/違反報告)
もふもふ(ノ)・ ω・(ヾ)(プロフ) - 匿名さん» 不快な思いをさせてしまったのなら申し訳ございません…。通報していただいてもいいです。 (2018年5月2日 19時) (レス) id: 26962884e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もふもふ(ノ)・ ω・(ヾ) | 作成日時:2017年4月8日 6時