_百四十五訓 ページ2
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「帰り……、たいってこと………?」
俺がそう言えばAは小さく頷く。
故郷に送ってほしいってことは要するに帰りたいと言ってること。なら第七師団を辞めると言ってるのと同じなようなものだ。
「なんで急に…」
「別に一生会えない訳じゃないんだから」
いつものようにフッと優しく微笑んで俺の隣に来た。
「そうだな……。地球を出る時そのまま私の星まで送ってほしい」
「……そんな、早くに出るのかよ…」
「まァ」
あまりにもケロッとしている返事と変わらぬ無表情が癪に障る。不機嫌な俺に気づいたのか、伸びてきた手。無意識にAの小さな手をはたいてしまった。
「………団長?」
「……ッ………」
気づいた時にはもう遅い。
見たことないAの表情に、思わず一歩後ろに下がった。
「かむ__」
後ろから聞こえる声なんて、俺の耳には入らなかった。
ただ、今はAの顔を見たくない。そう思って、一人先に艦の方へ走って向かった。
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yuuna1202(プロフ) - 本当ですか!嬉しいです!! (2020年12月8日 11時) (レス) id: 1a3b3ba982 (このIDを非表示/違反報告)
yuuna1202(プロフ) - 私この小説を応援してます!補佐さんが呪術廻戦に転生するのも見てみたいなと思います!? (2020年12月7日 19時) (レス) id: 1a3b3ba982 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なな | 作成日時:2020年7月17日 23時