検索窓
今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:39,810 hit

_九十九訓 ページ4

.


__…外はバケツをひっくり返したような大雨の中。

Aは静かに眠る高杉の頬をそっと撫でていると阿伏兎の声が聞こえて振り向いた。


「優雅な寝顔だねェ」
「副団長…」
「瞼の外で何人が戦火で焼かれようが、涼しいツラで野望にまどろむ大将ってのはどこもロクなもんじゃねェな」


鬼兵隊の隊士である男に弟を任せて歩き出した阿伏兎の大きな背中を追いかけた。
部屋から出ると負傷した第七師団や鬼兵隊の者たちが包帯を巻いたりと応急処置を各自行っている。
そんな光景を横目に彼女はこの星をキョロキョロと見ていた。


「捨てられた惑星(ほし)_烙陽。大戦により破壊し尽くされた巨大な廃墟」


あらゆる星から追い出されたならず者の集まるこの惑星は、春雨が身を隠すのにうってつけなのだが。

__…とある家族の故郷でもあった。


「__もしこの先何かあった場合は烙陽に集まる。分かった?」


「…… 烙陽(ここ)に、ねェ」


行方不明になる前の会議で神威が言った言葉を思い出しながら小さく呟いていたものだから、急に立ち止まった阿伏兎に気づかず激突きた。
キッと、彼を睨んでいると階段の下に見知った男が現れ無意識に彼女は眉間に皺を寄せていた。



「アンタらみたいな連中にも郷愁ってのはあるのかい」


「化物親子」という、阿伏兎の声に傘を上げればあらわになる男の顔。


___…

少女が万事屋を営む前…、地球に出る前のこと。“亡き母”の墓の前で決意した。強くなって帰ってくると。
そんな少女と共に行動をしていたまた子は「墓?」と、少女に聞く。


「…確かめたい事があっただけアル。思った通りだった」


手に持っていた花束をそっと…、優しい手で“母”の隣に置いた。
二つに並んだ花束を見て少女はさしていた傘の持ち手を強く握る。

その男。… 父親(ハゲ)が、星海坊主がここにいると少女は確信したのだった。

_百訓→←_九十八訓



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (33 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
106人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 第七師団 , 夜兎家族   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

波璃 - 3作品目おめでとうございます!今作も面白いお話を期待しています!更新頑張ってください!! (2020年5月21日 23時) (レス) id: a6841af2ef (このIDを非表示/違反報告)
運動系引きこもり(プロフ) - わーー!!!待ってました!!ありがとうございます楽しみです!!更新頑張ってください!(ありきたりな言葉かもしれませんが本心です笑) (2020年5月21日 17時) (レス) id: 711990e728 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:なな | 作成日時:2020年5月17日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。