_十一訓 ページ12
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「なんか、この荷物入れの木箱に入ってて…。多分この前の星つぶしの件からこの中で隠れてたんだと思います」
「だとよ団長」
「これで私の子でない事実が認められたな」
ところ変わって会議室。大きな椅子には似合わない小さな体。足をプラプラさせてリンゴジュースを黙って飲んでる。
あの後、私の顔を見た刹那。人違いだと気づいて大泣きしだしてしまった。団員達のあの白い目は全員潰そう。
誤解を解くのに一苦労したが、一人の団員が事情を把握していたらしいので彼が何とかしてくれた。
「この白い肌に中華服。この嬢ちゃん夜兎かァ?」
「かもね。新しい女の子入団させる?」
「確かに、将来強くなるかもしれないしそれもいいね」
「良くねーよ、こんなガキ入団させられるか。お前さん、歳は?」
副団長が目線をその子に合わせて聞く。あら、流石副団長。子供の扱い慣れてますね。お父さんって呼んであげようかな。…いや、やめておこう。仕事増やされそうで怖いしな。
私が一人脳内でやり取りをしている中、少女は口ごもってしまい下を向いている。
「むさい男は嫌だってさ。ここは綺麗なお姉さんに任せなさいよ」
「うるせェな。じゃあお前がやれ」
「はいはい。…で、君の名前は?」
なるべく優しく真っ直ぐ前を見て少女に聞く。すると視線は一瞬だけあったが直ぐに地面へと逸らされてしまったが、ガサガサの小さな口が少し空いた。
「ぁ…、あたし、蓮華。歳は十二。……その、ごめんなさい。まま…お母さんに似てたから」
「うんよく言えた。副団長じゃダメってことね」
「悪かったな、おっさんでよ!!……って、それよりお前本当に十二かァ?見るからに十にも満たないガキだろ」
少女は副団長の“ガキ”という単語が気に食わなかったらしくポカポカと……いや、そんな可愛らしい効果音では無い位の威力で殴っていた。
十二歳でこの容姿。夜兎同様の力に白い肌。まさかこの子、
「あたし……“びゃくま”っていう種族って…お母さんが昔言ってました」
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水渚桃華 - 七瀬未来さんへ まだ少ししか読んでないですがこの作品面白いです。更新待ってます。 (2020年2月20日 17時) (レス) id: 3a85905bbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なな | 作成日時:2020年2月18日 19時