堕天使は悪者？

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あなたside

〜城の中〜
城の中から兵士が次々と出てくる為きりがない
かと言ってあまり傷付けたくないし...
近くに逃げている人がいないのを確認し
兵士のみを狙ってできるだけ弱く覇気を使う


『......初めからこうすればよかった』


周りにいた兵士を気絶させた後
今頃気づいた呟く声が静かに消える

気を取り直して逃げ遅れた人がいないか探す
しばらく進んだ先に
人が集められている大きな空間があった
私は少し離れるように言って檻を壊す


『さぁ！早く逃げて下さい！』

「あぁありがとう」

「なんてお礼を言えばいいか...」


中にいた人々は
次々と城の外に向かって走り出す
そんな中動かない少女が1人
見た所怪我はしていない


『あなたは逃げないの？』

？「だって逃げて捕まったら殺されちゃうでしょ」



とても幼い子が言う言葉ではなかった
この歳で死ぬ恐怖を覚えてしまっている


『ねぇ、あなた名前は？』

？「...コアラ」

『そう 可愛い名前ね
......コアラには会いたい人いる？』


そう聞くと小さく頷く


『だったらここからでなくちゃいい？
何かしたい事やりたい事があるなら
絶対に諦めちゃダメ
例え可能性が0に近くても
辛くてもやるのよ
じゃないと後で後悔する時が必ず来るから』


わかった？と聞くと今度は声を出して答えてくれた
そしてポケットから1cm程の小さな石を取り出すと


コ「これあげる」

『大切な物じゃないの？』

コ「そうだけど いいの
だって助けてくれたから」

『そっか...ありがと!!
さぁ行きなさい』

コ「......」

『どうしたの？』

コ「また会える？」


そう聞くコアラは少し悲しそうな目をしていた


『あなたは私にまた会いたいと思うの？』

コ「うん」

『こんな羽があるのに？』


自分の羽を指しながら聞く


コ「うん」

『本当は悪い人間かもしれないのに？』

コ「それでも!!
......また会いたい」


最後の方は消え入りそうな声だったけど
確かに今こんな姿をする私に
会いたいと言ってくれた
私は被っていたフードを取り



『私の名前はA
私は旅人だから色々な島であなたを探す
でも月日が経てば貴方は成長してしまうから
見つけられないかもしれない
だからこの石をイヤリングにして
ずっと左耳につけてるから
あなたも私を探して』

コ「うん！」

『じゃあ約束ね』


そう言って約束をしコアラを急いで逃がした後
再びフードを被り
まだ逃げ遅れた人がいないかを探す

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