3話 ずっと傍に ページ3
目の前に広がるのは大きな建物。庭まであって、きっと沢山の人が住んでるんだろなって。
｢A｣
『なーに？』
突然に名前を呼ばれ、そっちを見てみれば不安げな顔をしたおじさん。その顔にはチラチラと毒占欲が見え隠れしていた。
『大丈夫。私はずっとずっと叔父さんと一緒だよ。どこにも行かないよ。
そばに居るから』
そう言えば、安心したような顔をうかべる叔父さん。
あぁ、きっと不安なんだろうな
私を誰かに取られるのが。私が自分でない誰かのものになるのが。また、一人ぼっちになるのが。
誰のものにもならないのに。なれないのに。
私には感情がないから。“好き”なんて気持ちわかんないんだ
｢ただいま｣
優しげな顔をしてそういった彼にそこにはさっきの不安げな表情はなくて。
｢リビング行こっか｣
『そうだね』
腕をひかれ、長い廊下を歩く。腕を握る手は思っていた以上に力強くて、なんだか逞しかった。
あんなに弱々しくても、壊れそうでも、この人も男の人なんだなって。
『陸さん』
なんとなく呼んでみたくなった。なんでかなんて分かりゃしない。でも何となく、ほんとにただの気まぐれだった。
リビングの扉を開けようとする彼の手がピタリと止まった。その横顔は驚きに満ちていて。かと思えば、花の咲くような眩しい笑顔を見せた。
おじさんは何も言わなかった。何も言わず、まるで壊れ物を扱うかのように優しく私の頭を撫でた。
この人の目には私はどう映ってるんだろうか。
｢あ！りぶさんただいまー！｣
叔父さんとは違い、元気よくただいまと言った赤色の彼。派手な髪だな。
｢あ！！その子がりぶさんがゆーてた子か！！｣
キラキラとした目には好奇心が宿っていた。目だけじゃない。笑顔もキラキラしてて、私には眩しすぎた。
｢うん、そうだよ。とりあえずリビング入ろっか｣
『うん』
｢せやな！！｣
先ほどと同じように元気よく返事をして、勢いよく扉を開ける赤色さん。
｢ただいま！！｣
よく通る明るい声のせいか、はたまた見覚えのない少女がいるからか、グサグサと突き刺さる視線。そんなことお構い無しに進んでいく赤色さん。
｢せや！！今日新しい子が｣
来たんやで、とでも言いたかったんだろうな。でも、その言葉はりぶさん基、陸さんの声で遮られた。
｢坂田。それは僕が説明するから｣
なんだかその目は悲しげだった。
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すい(プロフ) - 蒼井優衣さん» んんん完全にミスです！ご指摘ありがとうございます！こんな不定期更新でも読んでくださる方がいるということになんだかぽかぽかした気持ちになりました！これからもがんばります！本当にありがとうございます！ (2018年12月11日 18時) (
レス) id: 03d93beea4 (このIDを非表示/違反報告)
蒼井優衣(プロフ) - すみません本日更新されましたお話の最後に「あ」と着いてるのはわざとですか？わざとでありましたらすみません！いつもお話楽しみにしております！がんばってください！ (2018年12月11日 18時) (レス) id: b1695e31e1 (このIDを非表示/違反報告)
ぺんぎん - おもしろかったです。つづきまってます。 (2018年12月2日 18時) (レス) id: c89accbb8e (このIDを非表示/違反報告)
ネージュ@ちくわ同盟(プロフ) - 凄い好みの作品です！更新頑張ってください(^^) (2018年11月23日 10時) (レス) id: 4cedcbaa5d (このIDを非表示/違反報告)
すい(プロフ) - cfDbg4VRAsnucMYさん» あああありがとうございますぅぅぅう！！！めちゃくちゃ励みになります！ほんとにありがとうございます！！ (2018年11月21日 17時) (レス) id: 03d93beea4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すい | 作成日時：2018年11月16日 22時
