10話 幸せとは ページ11
『…ん、』
目の前に広がる茶色っぽい天井。手には布団の感触。左手の違和感。
なんで私ここに居るの？
なんで自分の部屋で寝てるのか、どうしてぽっかり穴の空いたような気持ちになるのか。どうして
＿＿＿＿＿＿泣いてるの？
あぁ、ほんとに訳の分からない日だ。
｢…ｯ｣
息を呑むようなそんな声。左手の違和感。
そこには“白色の彼”がいた。ぎゅっと閉じられた目に、なんだか苦しそうな顔をする彼。あぁ、魘されてるのか。
『でも、なんでここに…。』
｢それはね、なんだかんだで君の心配してるんだよこいつ。｣
扉の方から聞こえた声に振り向けばそこには青色の髪の男性。ふわふわとした髪になんだか気だるげな目をした彼は、心做しか寂しげな雰囲気をまとったような不思議な感じがした。
『私、心配されるようなことしましたっけ？』
本当にわからなかった。ずっとずっと光やりぶさんと一緒にいたからやらかしたことなんてなかったはずなのに。
｢まさか、おぼえて…
あーいや、なんでもないよ｣
誤魔化すように曖昧に笑う彼。
不思議な人。変な人。掴めない人。
とりあえずよくわからない人。
私の中での彼はいつの間にかそんな認識になっていた。
｢そらるさーん！！！ちょっとこれ見てください！！！｣
この声はきっと、“サカタ”。相変わらずの元気の良さだが、あのよく通る声が今は何故かものすごく頭に響いた。
｢んーじゃ、俺行ってくるから。
まふに変なことしないでね？｣
その目はやっぱり寂しげで。あぁ、彼も怖いんだ。
何に怖がってるかなんて知ったこっちゃない。でも、なんだか私と似ているようで。謎の親近感がわいちゃった、なんて。
『分かってますよ。』
そう言えば、あっそなんて冷たく言いながらも心配げに出ていった青色さん。あぁ、この白色さんは愛されてるんだなーって。
愛されてるのに、どうしてこんなに苦しそうな寂しそうな顔をするのか私にはわからなかった。
起きるまで待つかなんて思いながら、ベットから下り、隣にある机の引き出しを開けた。
そこには手のひらサイズの懐中時計。
そして満面の笑みを浮かべた、幸せそうな家族の写真。
なんて幸せそうなんだろうな…。
他人事のようにそう考えた。
この幸せを壊したのも私なのにね
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すい(プロフ) - 蒼井優衣さん» んんん完全にミスです！ご指摘ありがとうございます！こんな不定期更新でも読んでくださる方がいるということになんだかぽかぽかした気持ちになりました！これからもがんばります！本当にありがとうございます！ (2018年12月11日 18時) (
レス) id: 03d93beea4 (このIDを非表示/違反報告)
蒼井優衣(プロフ) - すみません本日更新されましたお話の最後に「あ」と着いてるのはわざとですか？わざとでありましたらすみません！いつもお話楽しみにしております！がんばってください！ (2018年12月11日 18時) (レス) id: b1695e31e1 (このIDを非表示/違反報告)
ぺんぎん - おもしろかったです。つづきまってます。 (2018年12月2日 18時) (レス) id: c89accbb8e (このIDを非表示/違反報告)
ネージュ@ちくわ同盟(プロフ) - 凄い好みの作品です！更新頑張ってください(^^) (2018年11月23日 10時) (レス) id: 4cedcbaa5d (このIDを非表示/違反報告)
すい(プロフ) - cfDbg4VRAsnucMYさん» あああありがとうございますぅぅぅう！！！めちゃくちゃ励みになります！ほんとにありがとうございます！！ (2018年11月21日 17時) (レス) id: 03d93beea4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すい | 作成日時：2018年11月16日 22時
