伊達工業高校バレー部の臨時マネージャーはゆるふわ系女子

ゆるふわ10 ページ12

「仲嶋？！」

貴「そ〜だよ〜。仲嶋Aさんだよ〜。で、誰か付き合ってる人いるの〜？」

「いない、けど」

貴「ぅえ。え〜、あんな数のラブレターもらってるのに〜？」

「…俺、好きな子いるし」

貴「え〜？どんな子〜？」

お前だわ。

そんなことを言う勇気は、残念ながら持ち合わせていない。

「…天然系ゆるふわ女子？」

貴「なにそれ〜？」

嫌だからお前だわ。

「まんま」

貴「そっか〜。叶うといいね〜。」

心折れた。

つまり、仲嶋は俺が誰と付き合おうと、問題ないってことだろ？

100%ないじゃん。

「…仲嶋は？」

貴「はい？」

「仲嶋は、好きな奴いんの」

貴「う〜ん。いるよね〜。」

1000%ないじゃん。

自分で傷口広げんなよ…

「どんな、奴」

震えそうになるのを我慢して、聞く。

貴「えっとね〜。背が高くて、本当は優しい人。」

あ、ないわ。俺優しくねーもん。

でも、俺だったらなぁ…

そんな考えには気づかないふりをして。

「叶うといいな」

思ってもないことを口にした。

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