幼なじみが落とそうとしてくる。【五条悟】 (ページ9)

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8. マジで好きだよページ9

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昔から、感情が顔に出やすいタイプだった。
だから、今もすっごいことになっているんだろうけど。

『えーーっと…。
嘘でしょ？』

「本当って言ってんじゃん。」

肩から手を放してくれたかと思うと、そのまま私の手に触れた。
一本一本、私の指の形を確かめるかのように、撫でたり揉んだりしてくる。
面白いぐらいに体が動かない。

『い、いつから…？』

動けない私をいいことに、次は指を絡め始め、恋人繋ぎをしてきた。
握っては開き、握っては開き……次はまるで、＂俺の手の形を覚えろ＂と言われているような気がした。

____悟の手って、こんなに大きかったっけ？

そう考えれば考えるほど、今まで意識したことがなかったのに意識してしまう。

「分かんね。
それっぽい感情を持ったのは小５の時で、確信を持ったのはオマエに彼氏ができた中3の時。
小学校ん時から隣にいたから、このままずっと隣にいるって思ってたのに、誰かのモンになったのが嫌だった。」

繋いでいる手を見ていた悟が、いきなり私のことを見た。
目が合い、ヒュッ…と息を思わず吸うが、肺が満たされることはなかった。
ずっと息苦しい。

「別れたって聞いて、チャンスだって思った。
もっとずっと、Aに関わっていきたいし、Aと前に進みたい。
その可能性が欲しい。
これから先、誰かのモンになる前に、俺のモンにしたい。

_____マジで好きだよ。」

心臓が口から飛び出たと思い、とっさに地面を見た。
そこにあるのはただのアスファルトで、私の心臓なんてあるはずがなかった。

悟が、私のことを好き？
悟が、わ____以下略

本当なんだ、とじわじわ実感し始めた。
でも、心の隅では＂冗談であってほしい＂と願っている自分がまだいる。

「悟くんじゃない。」

突然聞こえてきた声に、体が覚醒した。
繋がれた手を振り解き、勢いよく振り向いた。
この間、わずか0.5秒。

「相変わらずイケメンねぇ。」

「お母さん……前より綺麗になりました？」

「悟くんに言われたら天国！」

悟に喜びながら話しているのは、仕事帰りのお母さん。
助かったというか、なんというか。
これに便乗して、家に帰るしかない。

『お母さん、帰ろ…！
悟、また明日。』

グイッとお母さんの腕を引っ張り、悟の方なんて見向きもせずに歩みを進めた。
背後から、「んー。」と気の抜けた声が返ってきた。

『また明日。』なんて言ったけど……会いたくない…。

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