214.お人好し ページ34
「まぁ、こんなもの揃えたところで、結局は本人がどう思っているかなんだろうけどね。」
海斗は観念したのかベンチから降り、ポケットから私のスマホを取り出した。
そして、それを無一郎の胸に押し付けた。
「返すわ。
冷めた。」
無一郎は黙ってそれを受け取り、「どうも。」と一言だけ返した。
その時、ポツポツと雨が降り始め、すぐにザァッと勢いよく降り始めた。
そんな雨の中に、海斗はこちらを見ずに屋根の下から出ていった。
『あっ…待って…！』
思わずベンチから立ち上がり、海斗の後を追いかけた。
彼の腕を掴むとピタッと止まってくれて、こちらに体を向けた。
『浮気されたけど……付き合っている時はちゃんと楽しかったから…。』
海斗のことは今回のことで嫌いになったけど、人をとことん嫌いになることができない私はそう伝えた。
すると、彼は呆れたように笑い、「お人好し。」と言い、私の腕を振り払って行ってしまった。
…無一郎のところに戻らなきゃ…。
くるりと体の向きを変え、ベンチのところへ戻った。
雨を凌ぐことはできたけど、頭の先から足の先までビショビショなので、あまり意味はない…。
「ビショビショだね。」
無一郎はカバンの中からタオルを取り出し、私の頭にふわっと乗せた。
そして、髪の毛をごしごしと拭き始めた。
「雨がマシになるまで、ここに___
無一郎の言葉は、私がいきなり抱きついたことで途切れてしまった。
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ひろか - あーー！もーー！興奮が収まりません！ちょくちょく出てくる原作の台詞とかもう最高でした！刀鍛冶編の「おい、いい加減しろよ、クソ野郎が。」の台詞には赤面でした！刀鍛冶編で、私の中で、top3には入る台詞だったのでもーあーあーって語彙力がなくなりました。 (3月9日 0時) (
レス) @page47 id: 57ea2d5713 (このIDを非表示/違反報告)
優衣 - 海斗から助けた所がものすごくかっこよくてもっと無一郎の事好きになりました♥️ (2023年5月8日 11時) (レス) @page44 id: 95d1cd5894 (このIDを非表示/違反報告)
もろん - 完結おめでとうございます！！（終わってほしくないよぉぉぉぉ）とっっっっっっってもオモシロかったです！！ (2021年6月8日 14時) (レス) id: 2c8540451a (このIDを非表示/違反報告)
むむいむい君 - 完結おめでとうございます。いやもうマジで無一郎最高すぎる終わらないでーー (2020年12月12日 2時) (レス) id: fa7814fbb8 (このIDを非表示/違反報告)
無一郎 - 完結おめでとうございます！あの...また新しく無一郎くんの小説書いてもらえますか？ (2020年11月21日 3時) (レス) id: 16e352d00b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朔夜 | 作成日時：2020年8月9日 19時
