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197.大切な用事? 〜炭治郎side〜 ページ17

『A…。』
「やっ…耳元で名前呼ばっ…ないで!」



我慢できなかった。
長男でも我慢できなかった。
あんな甘い匂いは色々狂ってしまう。
Aは応えてくれたが、半ば無理矢理に事に及んだ俺に対してAは…。



『Aー。』



名前を呼んだが、Aはムスッとしたままパスタを勢いよくフォークに巻いている。



『怒ってるのか?』
「怒ってないよ。」



俺に嘘は通用しないの知っているくせに。
怒っている匂いするし、そのパスタの巻き方はどう見ても怒ってる。



『かわいかったんだ。
許してくれ。』
「…嫌だ。」



あ、恥ずかしがっている匂いに変わった。
コロコロ変わるから面白いしかわいい。



「もう嫌い。」
『そんな匂いはしないぞ?
本当は?』
「………好き…です。」



また漂う甘い匂い。
…長男だしっかりしろ。
ここがパスタ屋じゃなくて部屋だったなら、2回戦が…長男だ!!!



ブーッ…ブーッ…



堪えている時、俺のスマホがテーブルの上で鳴った。
画面に表示されたのは登録されていない番号だが、見覚えのある番号。
そうだ、この番号は陽菜だ。



「出ないの?」



一向に電話に出ようとしない俺に、Aは心配そうに声をかけてきた。



『…陽菜からだ。
だから出ない。』



名前を出すと、Aは口をキュッと結び、視線を落とした。
少し切ない匂いとその表情をされたら、出るわけにはいかない。
そう思い、放っておこうとした。



「大切な用事かもしれないよ?」



Aはそう言って微笑んでくれたが、どう見ても大丈夫ではない。
俺は『すぐ帰ってくる。』と言って、慌てて店の外に出た。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 竈門炭治郎 , とんでもねぇ   
作品ジャンル:その他
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そらね - 正直言って陽菜ちゃん嫌いです。 (2020年11月15日 9時) (レス) id: 4fd123f034 (このIDを非表示/違反報告)
- 朔夜さん!これからもたくさん素敵なお話を作ってください! (2020年7月23日 0時) (レス) id: c9bbef43dc (このIDを非表示/違反報告)
- お話が面白すぎて……すごい……。(語彙力) 炭次郎の甘えてくるところがアアアアアアアアアアッッッッ!!!!!!たまらん!!!!!! (2020年7月23日 0時) (レス) id: c9bbef43dc (このIDを非表示/違反報告)
鬼滅の刃大好き - 陽菜が炭治郎のこと好きなのはわかるけど、さすがにやりすぎぃ〜!炭治郎、夢主さん、がんばれ〜!!そしてそして!朔夜さんも頑張ってください! (2020年7月4日 0時) (レス) id: 7db63c5bfe (このIDを非表示/違反報告)
蜂蜜色(プロフ) - 朔夜さん» んーっ! (2020年6月8日 18時) (レス) id: 47360ddac9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:朔夜 | 作成日時:2020年6月3日 20時

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