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「……本当にすみません」
脈略もなく謝られたかと思うと、「ドンッ」という何かがぶつかる音が響いた。
何が起こったか脳が把握できていなかったが、ぐらりと視界が揺れて世界が反転したらしい。腕を引っ張られ、倒れたのだ。オッケー把握。
……押し倒された、というわけか。
横を見ると、ジョルノさんの腕が床につかれている。この音が「ドンッ」の正体らしい。
「じょっじょジョルノさん!?」
「……体、が……熱くて……ッ」
肩を上下させ、時折小さく声を漏らしながらAと指を無理やり絡め合う 離そうとしても離れず、男の力というのを再認識させられた。本気の力で押してもビクともしない。ジョルノの汗がポトリと床に落ちた。Aの背筋には冷や汗が伝い、逆に冷える。
荒い息遣い。
どちらのか分からない心臓の音がうるさい。
「ジョルノさん…ちょ〜っと目が怖いなーって。ハハ…ハ……」
さっきまでの澄んだ瞳とは訳が違う。ギラギラと奥底が光っていて、獣のようだった。しかも、獲物を捕らえる目。とてもだが、ジョルノ本来のものではない。こっわ〜〜〜!!! 怖い!!!!
「うるさいですね……食いますよ?」
「申し訳ございませんでした」
スライディング土下座するところだった。食うというのはどっちの意味だろうか。もぐもぐゴックン的な意味なのか、それともソッチ系なのか。前者はホラーだし後者は言いたくもない。絶対にあの液体のせいだろう。
というか忘れていたが、飲んだんだから扉は既に出現していた。
「開きました!! 出れますよジョルノさん!!!!」
「……出たいん、ですか?」
「決まってるだろうが!?!?」
「…………もう少し、もう少しだけ、こうしていましょう」
拒否権など、あってないようなものだ。
コクコクと頷くことしか出来ず、食われませんようにと必死に祈っていたら解放された。手をするりと離される。まだ温もりが残る自身の手。何だか自分のもののようには思えなかった。
去り際に謝られ、口外しないようにと頼まれる。モチのロンですと言っておいた。ネタが古かったのか微笑も何もなかった。
…………いや、あの液体は何だったんだ???
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恋仲だったら手を出してた、と後のジョルノ氏は思う。
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結兎亜(プロフ) - 初コメ失礼します!リクエストで、ジョニィの…軽めに、「ハグしないと出られない部屋」、お願いしますっ! (2022年12月4日 18時) (レス) id: 7bda5675bf (このIDを非表示/違反報告)
ゆっくり - 天才羨ましい、、そっか···神ってマジでいるんだ··· (2022年12月4日 15時) (レス) @page41 id: 7a9a52b587 (このIDを非表示/違反報告)
スズメ(プロフ) - 作者さんの短編とても面白いです(((o(*゚▽゚*)o)))作者さんのほかの小説が読んでみたくて。処刑少女と××という小説を読んでみたいのですが、もしよろしければパスワードを教えて頂けませんか。 (2022年11月26日 10時) (レス) id: e3bb4f0ab3 (このIDを非表示/違反報告)
ケイキ(プロフ) - 更新お疲れ様です!いつも楽しく読ませてもらってます!あと腐の短編集めちゃくちゃ読みたいです… (2022年11月21日 6時) (レス) @page39 id: 0694030e7d (このIDを非表示/違反報告)
森(プロフ) - うおおお!?めっちゃ面白いです!!単純明快大ピンチ…な、なんか頭に電柱が駆け巡るんですが… (2022年10月24日 21時) (レス) @page30 id: 16b29645b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:どりこく x他2人 | 作成日時:2022年9月11日 10時