ㅤ ページ42
●
…なんか、今、コイツの目の奥が光ったような気がしたんだが。
読心術を使える人というのはよく聞くが、ここまでの精度なのか? 心の中を読んでいるみたいに変に正確だ。なんか覗き込まれているみたいで気持ち悪い。
「………あちらの命令をクリアすればよいのですか?」
「そのとーり。で、今回の命令は…」
”興奮しろ”
※ただし男性側が。
ちなみに下の余計な一文は小さく書いてあった。
二人で顔を見合わせ、もう一度命令とにらめっこする。興奮しろ…はて、興奮とは。いや哲学じみてるな。無理難題かも知れない。
「はい、テレンスさん。興奮してどうぞ」
「いや無茶言わないでください。仮に貴方に興奮しろと言うことであっても、私はゲテモノ好きではありませんので…」
「はーはっは死刑」
「失礼しました」
何コイツうざぁ。
……で、どうしましょうか。
興奮って、例えば…スポーツ観戦をしているときなんかにありがちだろう。他にもテレビゲームだとか、兎に角そういうものをやっているときに心が高ぶって興奮状態になる。それは分かる。
この白しかない空間で、はたして可能なのだろうか。
「…………おや、あちらの箱は…」
声に釣られて見てみると、その命令の紙の下に白で分かりづらかったが箱があった。だから白以外にするとかの配慮が欲しいわけであって以下略。
「開けますねー」
「ええ。………どうされました?」
「いや手伝えよって思いますた」
「貴方はそこまで貧弱なのですか? そうには見えませんが」
軽い口喧嘩を交わしながらオープン。
中には黒と白の、いわゆる”メイド服”が綺麗に畳まれた状態で詰め込まれていた。なんのオマケなのか知らないが猫耳カチューシャと猫じゃらしまで入っている。いらねぇ。
「…絶対に着ないですからね」
「私も着ないからな!?」
大声で拒否。断固拒否。
……テレンスは何も言わず、ただジーッと眺めていた。彼女の顔を。だんだんと気まずくなってきて目を逸らすと、嫌でもメイド服セットが目に入る。あれを着る他に選択肢があるかと聞かれたらNOだろう。
「………着るんで目、潰しといてください」
「見たくもないですよ」
「知ってた」
部屋の角に移動して彼が壁だけを見ているのを確認。
着替えることにした。………クソが…。
▶
120人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
結兎亜(プロフ) - 初コメ失礼します!リクエストで、ジョニィの…軽めに、「ハグしないと出られない部屋」、お願いしますっ! (2022年12月4日 18時) (レス) id: 7bda5675bf (このIDを非表示/違反報告)
ゆっくり - 天才羨ましい、、そっか···神ってマジでいるんだ··· (2022年12月4日 15時) (レス) @page41 id: 7a9a52b587 (このIDを非表示/違反報告)
スズメ(プロフ) - 作者さんの短編とても面白いです(((o(*゚▽゚*)o)))作者さんのほかの小説が読んでみたくて。処刑少女と××という小説を読んでみたいのですが、もしよろしければパスワードを教えて頂けませんか。 (2022年11月26日 10時) (レス) id: e3bb4f0ab3 (このIDを非表示/違反報告)
ケイキ(プロフ) - 更新お疲れ様です!いつも楽しく読ませてもらってます!あと腐の短編集めちゃくちゃ読みたいです… (2022年11月21日 6時) (レス) @page39 id: 0694030e7d (このIDを非表示/違反報告)
森(プロフ) - うおおお!?めっちゃ面白いです!!単純明快大ピンチ…な、なんか頭に電柱が駆け巡るんですが… (2022年10月24日 21時) (レス) @page30 id: 16b29645b2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:どりこく x他2人 | 作成日時:2022年9月11日 10時