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「……今、どんな気持ち?」
「お前の顔面、殴ってやりたい」
「はは、やっぱ君は面白い」
母体にするのは勿体ないな、とセクハラまがいのことを呟く。
そして、壁にドンッと手をついた。
この体勢でやるのか……。なんか、しゃがんだ人が座った人に壁ドン、って珍しいというか変というか…まあ誰にも見られていないだろうし別にいいのだが。
それでもやはり、恥ずかしいものは恥ずかしい。今までの部屋で少し耐性がついたものの、豆腐野郎への憎悪はパンパンだ。変なやつしか閉じ込めないし。
「…お、開いたらしいな。イルたんにも教えてあげよ〜」
「じゃ、さいなら……」
バイバイと乱暴に手を振るAを見て、メローネがポンッと手を鳴らした。
「大切なことを聞き忘れていた。……ま、いいか」
「A、またいつか会おうね」
「…え?」
名前、全く必要ないとか言っていたくせに覚えてくれていたのか。別に嬉しいとかじゃあ断じてない。ただ、少し意外だっただけだ。メローネさんが勘付いたのか、「気に入った人は覚えることにしてるの」と悪戯っ子のように微笑む。
「まあ、一応聞いておこうかな」
「何を?」
「君は────」
真剣な眼差し。気配が変わった。な、何だ何だ…?
「どんなプレイが好…」
瞬間、ボゴォンっと重低音が轟く。
見れば、拳を固く握りしめたAと地面に血を吐きながら倒れているメローネの姿があった。瀕死にしか見えない状態にも関わらず、親指を立てて「べ、ベネ……」と消え入りそうな声を発する。Aが怒りながら今度こそ転ばないように歩き、部屋から出た。
メローネが出られたのは、動けるようになった20分後なのであった。
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結兎亜(プロフ) - 初コメ失礼します!リクエストで、ジョニィの…軽めに、「ハグしないと出られない部屋」、お願いしますっ! (2022年12月4日 18時) (レス) id: 7bda5675bf (このIDを非表示/違反報告)
ゆっくり - 天才羨ましい、、そっか···神ってマジでいるんだ··· (2022年12月4日 15時) (レス) @page41 id: 7a9a52b587 (このIDを非表示/違反報告)
スズメ(プロフ) - 作者さんの短編とても面白いです(((o(*゚▽゚*)o)))作者さんのほかの小説が読んでみたくて。処刑少女と××という小説を読んでみたいのですが、もしよろしければパスワードを教えて頂けませんか。 (2022年11月26日 10時) (レス) id: e3bb4f0ab3 (このIDを非表示/違反報告)
ケイキ(プロフ) - 更新お疲れ様です!いつも楽しく読ませてもらってます!あと腐の短編集めちゃくちゃ読みたいです… (2022年11月21日 6時) (レス) @page39 id: 0694030e7d (このIDを非表示/違反報告)
森(プロフ) - うおおお!?めっちゃ面白いです!!単純明快大ピンチ…な、なんか頭に電柱が駆け巡るんですが… (2022年10月24日 21時) (レス) @page30 id: 16b29645b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:どりこく x他2人 | 作成日時:2022年9月11日 10時