もう1つの始まり2 ページ2
国語で1位を取ったことが嬉しくて、その日はいつにましても勉強のやる気があった。
こんなこと二度とないだろうなぁ。
でも、もっともっと勉強すればまた取れるかな。
・
授業も終わり、昇降口へ向かった。
すると、後から肩を掴まれた。
「わっ!……え。」
肩を掴んだのは、なんと若武くんだった。
「お前が、立花 彩?」
すごくぶっきらぼうな言い方だった。
ちょっとムッとした。
だって、初対面でこの言い方はなくない?
「そうだけど、何か用?」
ムッとしていたので、わたしも少しキツい言い方をしてしまった。
しまった、と思ったけど、若武くんはてんで気にすることもなく、話を続けた。
「ちょっと来いよ。」
そう言って、わたしの腕を強引に引っ張って、どこかへ連れていこうとする。
わけがわからぬまま、小さい教室の中まで連れてこられた。
わたしはとても無理矢理なやり方に頭にきて、あなたなんなの!と言おうとすると、目の前に紙が来た。
「は?」
「これ、この国語の答えなんでこうなのか教えて欲しい。」
「は?」
ますます、わけがわからない。
ポケッとしてると、プッと笑い声が聞こえて我に返った。
そこには若武くん以外に数人の男の子がいたの。
「若武、急に教室を飛び出して何かと思ったら何してるんだ。」
「その子が可哀想だよ。」
「アイツは話の順序ってものを知らないのか。」
「だってよぉ!
今回国語だけが1位取れなかったんだ!
完璧だと思ってたらこことここ、外れてたんだ。だから1位のやつに聞こうと思ったんだよ。」
「え、こいつが噂の1位。」
みんなの顔色が変わった。
「あの…、ほんとになんですか。」
「なんでここ、この答えなんだ。教えてくれ。」
わたしの話なんて、全く聞いていない。
「帰ります。」
ドアノブに手をかけようとすると、
「待ってくれ、国語の天才。」
瞬間、顔を振り返ってしまった。
天才て言われて…、なんだかくすぐったかった。
後ろでコソッと、「あ、若武のにかかった。」と声がした。
「お願いだ、教えてくれ。」
天才と言われて、気持ちがあがってしまい、
「いいよ。」と言ってしまった。
わたしって結構ちょろいやつなのかもしれない…。
「ここなんだ、なんで終止形じゃないんだ。」
「あぁここは、これがついてるからよ。」
「あ、ほんとだ。なるほど!
じゃあ、これは?」
瞬間、若武くんの目が輝いた。
わ、めちゃめちゃいい顔する…。
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アカツキ(プロフ) - きららさん» 前々からやってはいたんですけど、ログインできなくてそのままにしてたんですが、また新しく始めました! (2018年6月23日 18時) (レス) id: 242d60fa25 (このIDを非表示/違反報告)
きらら(プロフ) - きららです!Twitterでは星夢で活動してます!占ツクやってたんですね!←今更何を…… (2018年6月23日 18時) (レス) id: d6fc1ed0a8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アカツキ | 作成日時:2018年6月23日 14時