もう1つの始まり ページ1
これはもう1つのKZの始まりのお話です。
・
・
・
・
「またねー！」
「また明日！」
「あそこで待ち合わせな！」
色んな声が飛び交う中、わたしは下を向きながら、グランドを歩いていた。
校門を出て、少し行ったところで何やら騒がしくなっている。
その横を通り過ぎてもこちらを誰も見向きもせず、みな同じ方向に目を向けていた。
気になってわたしもそっちを見てみると、それはKZ集団が自転車でゾロゾロと向かってきているところだった。
あ、みんなこれを見てたのね。
KZはサッカーチームのことで、わたしが通ってる大手塾、″秀明″が設立したチームなの。
みんな頭が良くて、さらにカッコイイから尚更みんなの憧れの的！
…まぁわたしには異次元すぎて、遠くから見るだけ。
KZ集団が私の横を通る中、1人遅れて自転車を漕ぐ子がいたんだ。
「あ、若武くん…」
思わず声が出てしまった。
わたしの声なんて届くはずもなく、颯爽と過ぎていく。
ふと後ろで何かが落ちる音がした。
振り返れば、サッカーボールのキーホルダーが落ちていた。
「これきっと、若武くんのだよね…。」
自転車だから、追いつけるわけもなく若武くんは既に豆粒になっていた。
「これ、どうしよう。」
わたしは、そのサッカーボールのキーホルダーを眺めることしかできなかった。
*
わたしは家に帰って、すぐに秀明に向かった。
あ、一応あのキーホルダーも持ったよ。
もしかしたら、渡すタイミングができるかもしれないしね。
歩いてる途中で、今日は秀明オリジナルの統一テストの結果が張り出される日だと思い出した。
今回は国語結構イケたのよね、ふふ。
秀明に着いて、昇降口のすぐ目の前にドーンと大きく張り紙が貼られていた。
そこにはたくさんの人集り。
若武くんもいた。
わたしは遠くから、張り紙を見た。
なんと！！
わたしが国語で1位だったの。上にはもっとたくさん、国語できる人いるのに…。
声も出ないくらい嬉しかった。
嬉しかったけど、授業の始まる時間も迫っていたので回れ右した。
すると、後ろから先生が声をかけてきて、
「立花、お前すごいな。校内でぶっちぎりの1位だ。」
そんな声が昇降口で響き渡り、たくさんの生徒がわたしを見た。
視界の中で若武くんもこちらを見たのもわかった。
う、注目されてる。
キーンコーンカーンコーン。
「お、みんな教室へ行けー。予鈴鳴ったぞ。」
みんなはわたしから目を背け、急いで教室へ向かった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 4人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アカツキ(プロフ) - きららさん» 前々からやってはいたんですけど、ログインできなくてそのままにしてたんですが、また新しく始めました！ (2018年6月23日 18時) (
レス) id: 242d60fa25 (このIDを非表示/違反報告)
きらら(プロフ) - きららです！Twitterでは星夢で活動してます！占ツクやってたんですね！←今更何を…… (2018年6月23日 18時) (レス) id: d6fc1ed0a8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アカツキ | 作成日時：2018年6月23日 14時
