ウソから始める恋につき、 【及川 徹】

波乱の、体育館。 ページ30

及川side.



1セットとられた。でもこっちだって1セットとってる。だからもう1セットとれば終了。


普段なら体育のバレーでこんなヘマはしない。気が立っているからだろうか。


感覚が研ぎ澄まされて、体育館に射し込む光に雲の影、さらにホコリが陽に透かされてキラキラとしているのも、見なくても分かる。


...この第3セットは落とさないよう、Aを意識しないようにしよう。レシーブが苦手な後衛の子、狙おう。


今サーブ権は俺にある。


ボールをあげて、助走して、ボールを打つと、全身にその感覚がひびいた。


ｽﾞﾄﾞﾝｯ


「うわ...。今の及川敵にまわしたくないわ...。ぜってー殺されっぞ」


「いって！！及川、サーブ強すぎるぞ...！」


そのままサーブだけで1セットとってこっちのチームが勝った...。


「及川君！ちょっとあの子狙いすぎじゃなかった？4回くらいは隣いったけど...。体育だしあの子結構アザ出来ちゃってたし...。その、ちょっと手加減してあげても、良いんじゃないかな？」


それは自分でも分かってる。...だけど。


こんないろいろある時期に、やれって言われてもこうなるだけなんだよっ...！！

また、告白。→←波乱の、体育。

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