引越し ページ2
カルナside
〈ある程度は片付いたな...よし、
そろそろ俺達は帰るぞ〉
〈火元と戸締りだけはしっかりしとけよ
なんせ此処はアパートだからな、何かあれば他人にも被害が及ぶ〉
何処の誰かも知らない木の葉の忍びの話を適当に聞き流し
無事去ったのを見届けると、素早く玄関ドアの鍵を閉めた
今居る新しい家は
火影塔やアカデミーからほど近い場所にある
私が今まで住んでいた森の中とは勝手が違うのだ
厄介事に巻き込まれてはたまったもんじゃない
・
私が此処へ越してきた理由はただ一つ
"アカデミーへ通う為"だ。
つい一週間ほど前、火影が家に来て
『お主もそろそろアカデミーへ通ってはみぬか?』などという人嫌いな私にとってはとんでもない超大爆弾発言をしてきた
私は直ぐに却下したが何やかんやあり、最終的には丸く収められてしまい現在に至る
「腹ぺこペコペコ」
そんな自分でも訳の分からない言葉を皮切りに
私は家を出た
・
外へ出ると夕日が山へ沈み
空は暗くなる一歩手前だった
にも関わらず辺りはとても明るい
誰かの家の温かい明かり
屋台の明かり
街頭の眩しい明かりには蛾が集まっている
そして何より一番明るいのは
"人間自身"だった
家族との会話
友達との会話
客と店主の会話
無線越しの誰かとの会話
皆、色んな会話に花を咲かせ明かりを生み出している
昔の日常と似ている、この懐かしい光景に少しの間見とれていたが
明日はアカデミー初日
流石に一日目から遅刻する訳にはいかない為、急いで店を探し
生活に必要最低限のみを買って家へ帰った
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作者名:星音 | 作成日時:2019年2月8日 21時