21話 ページ23
寧々ちゃんが地面に着く前に私が抱きかかえ、ぎゅっと力強く抱きしめた。
ボロボロと涙を零す私、寧々ちゃんと私を大事そうに抱きしめる花子さん、何が何だかわかっていない光くん、時間が進められないことを不思議に思うミライ。
「 時間が進められない、ななばんさま、もしかしてその子…、もう寿命が残ってないの…？」
「 い、わ…、言わないで…、何も言わないで…っ！
私が絶対に変えるから、絶対に寧々ちゃんの未来を変えてみせるから…！」
キッとミライを睨みつけ、止まることを知らない涙を拭う事なく、ただひたすら寧々ちゃんを抱きしめ続けた。
「 …ヤスミ、ごめん、少し寝てて 」
花子さんが私にそう言えば、額をトンと指で軽く押され、私は意識を失った。
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「 寿命が残ってない…？
どっ…、どういうことだよ！？花子！」
依然として寧々とAを大事そうに抱いている花子に光は聞く。
「 言葉通りの意味じゃよ、少年 」
光の頭にぽんと乗せられた手の主が光の時間を元に戻しながら答えた。
茜が睨みをきかせながらその人物に声をかけると、その人物は、遅すぎるということはあるまいて。とおじいちゃんのような口調だった。
その人物とは、過去を司る3人目の時計守だった。
茜たち時計守のリーダーであり、最年長であるらしい。
こちらもミライ同様名前がないため、カコなんだとか。
「 それより、源後輩にはもっと気にした方がいい事があるんじゃない？」
2人を抱きしめている花子を指差し、光はハッとした。
「 先輩…どうしちまったんだ…？
おい花子、説明しろ！」
「 …から、だから言ったのに、未来を司る時計守にヤシロとヤスミを触られないように注意して…って 」
この事は眠らされている張本人であるAも知らない事実。
白杖代がAの身体を調べ、分かったことだ。
花子を呼び出した時から彼女の寿命が良くも悪くも変わってしまうことが確定してしまっていたと。
しかし、彼女はそんな事知るはずもなく、ただ大好きな親友のために自分の命を捨てようとしていた。
花子は寧々とAを教室の壁に寄りかからせて、優しく頭を撫でたあとに、彼らに向き合った。
そして、先程とは打って変わった表情で、ミライを指差した。
「 その子はヤシロの時間を進めようとした
けど、ヤシロの時間は進められるほど残っていなかった
ヤシロは死んじゃうのさ、あと1年もしないうちにね 」
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人参ぱんつ(プロフ) - yamiさん» お返事遅くなってしまい申し訳ありません、とても嬉しいお言葉ありがとうございます、頑張らせていただきます！ (2020年8月21日 18時) (
レス) id: a7aebfbb6e (このIDを非表示/違反報告)
yami - 凄く面白いです！更新頑張って下さい。 (2020年7月28日 12時) (レス) id: 0abcc7321c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：人参ぱんつ | 作成日時：2020年4月22日 1時
