【小説版】まよな科病棟の患者達の日常

9号室ー村雲 時雨ー ページ10

＿＿＿今、'鳴神 双葉'と書かれた部屋の前に着いたんだが……

…入りたくない。はっきり言って入りたくない。

入りたくなさ過ぎて、また髪が紫になってきた…

謝るのってどう言えばいいんだ⁈考えておけば良かった…

覗いて見ると、丁度K先生と双葉君がいた。

仕方ない、入るとするか＿_

「「⁉︎巨大毒キノコ⁈」」

＿＿お前らもかよ⁈

若干イラッとしたが、今は謝りに来たんだ。怒ってはいけないだろう。(普段だったら間違い無く怒っているが)

「ってなんや、村雲かいな…驚かさんといてや…」

…驚かしたつもりはないんだが。

「何か用ですか？」

朝のことがあったから当然と言えば当然だが、双葉君はかなり警戒してる様だな。

……よし。言うか。

「…朝は少し言い過ぎた。悪かったな。」

そう言うと頭を下げた。心から悪いと思ったせいか、今度は髪と瞳が蒼く染まった。

…中々返事がしない。心配になってきた。

少し顔を上げて見ると2人共、口を開けて固まっていた。

「…そんなに僕が謝ることが意外ですか。」

「いやいや！そーじゃなくて‼︎」

「あぁ。意外とかじゃないんやけどな⁉︎」

なら何だと言うのだろう？

「言ってもいいですけど…」

「怒らんといてな？」

⁇

「「…巨大毒キノコが進化したなぁって」」

＿＿こいつらのこと殴ってもいいだろうか。

「「⁈止めて⁈」」

おっと、うっかり口に出してしまった様だ。

「何で'?'が付いてないんですか⁈」

「村雲⁈先生を殴ったらアカンやろ⁈」

？先生って殴ってはいけないんですか？

「いや、アカンやろ⁈……ってか村雲⁈眼が本気なんやけど⁈」

本気ですから。人が真面目に謝ってるのに…覚悟はいいですよね、2人共。

＿だから何で'?'付いてないんですか⁈拒否権無しですか⁈
＿ホントにアカンって‼︎＿＿

流石に僕も怒りましたから。今日こそは本気で、叱る(物理的に)としましょうか。

10号室ー鳴神 双葉ー→←8号室ー村雲 時雨ー

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す